玄人ファンの間では賛否が分かれる

 白鵬氏の相撲五輪競技化について、相撲ファンの間では「女子選手カッコよかった。是非オリンピック種目になってほしいですね」という歓迎の声がある一方で、往年の好角家の中には伝統を重んじる観点から「五輪の種目になったら神事でもある大相撲の力士の価値が下がる」と慎重な見方を示す声も。

 実際、相撲の五輪競技化に向けたハードルは高い。IOCが求める男女平等種目の条件をクリアするためには、女子を含めた国際大会を継続的に開催し、競技人口を増やす必要がある。日本女子相撲連盟によれば、国内の女子相撲競技人口は約2000人(2022年時点)に増加したとされるが、それでも他の競技と比較すると圧倒的に少ない。さらに深刻なのは、実業団まで相撲を続ける女性はわずか数人しかいないという現実である。

 また、伝統を重んじるであろう日本相撲協会との関係も課題として残る。相撲協会を退職する時期に白鵬氏は「相撲協会を内部から変えていく夢は、諦めました。これからは、外からがんばりたい」と語っていただけに、夢実現に向けて「協会内部からの反発もあるのでは」といった見解も出ている。

 白鵬杯に参加し、成人の部重量級で優勝した阿部なな選手(金沢学院大付高)は「会場も大きくて楽しかった。相撲が五輪種目になったらうれしい」と期待を込め、成人の部軽重量級で3位の元世界女王・長谷川理央選手(慶應大)は13年ぶりの白鵬杯出場に際して「注目してもらえる試合が増えるのはいいこと。相撲は全部面白いと思っているので女子だけ、男子だけじゃなくて、一緒になって盛り上がっていったら」と相撲の普及に期待を込めた。

 16回目にして新たな一歩を踏み出した白鵬杯。伝統と革新、国内と世界、賛成と反対…さまざまな視点が交錯する中で、白鵬氏が乗り越えなければいけないハードルは高い─。