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ー “女系天皇”につながる案はほぼ消滅

 2月8日に投開票が行われた衆議院選挙は、自民党が単独で316議席を占める圧勝に終わった。この歴史的勝利は、長年議論が続いてきた「皇室典範改正」の行方を決定づけるものになりそうだ。

“女系天皇”につながる案はほぼ消滅

高市首相は1月の解散会見で、皇族数減少への対策として“女性皇族の身分保持”や“旧宮家の男系男子の養子縁組”といった具体案を提示。今回、自民党が定数の3分の2を上回る議席を得たことで、法案が参議院で否決されても衆議院で再可決できる「数の力」を手にしました

 デリケートな問題だけに強行採決の可能性は低いと見られますが、政治的な主導権が自民党に完全に握られたのは事実。『週刊女性』は自民党へのアンケートをもとに、専門家に「女系天皇」の是非や改正の行方を読み解いてもらった。

自民党を中心に、日本維新の会、国民民主党、参政党などの主張は、ほぼ一致しています。すなわち、“旧宮家の方々を現在の皇族の養子に迎え、皇籍に復帰していただく”という案です


 そう指摘するのは皇室制度に詳しい麗澤大学経済学部の八木秀次教授だ。

「アンケート結果を見ても、自民党は一貫してこの主張を維持しています。一方、これまで旧立憲民主党の野田佳彦氏と馬淵澄夫氏らがこの案に慎重な姿勢を示してきました。しかし、今回の選挙結果を受けて、旧立憲民主党を中心とする中道改革連合の発言力は低下するでしょう」(八木教授、以下同)

 女性皇族が婚姻後も身分を保持する案は、各党の合意が得られているという。

「その案自体に反対する政党はありませんが、その“配偶者と子の身分”について旧立憲民主党以外は、皇族とすることに否定的でした。今回の選挙の結果を受けて、女性皇族の配偶者と子が皇族の身分を持つという案、すなわち“女性宮家”あるいは“女系天皇”につながる案は、ほぼ消滅したといえるでしょう

 一方、このまま男系継承を継続すれば、皇室の構成人数が先細りするのは明らかだ。だが、八木教授はその懸念は時期尚早だと指摘する。

緊急性のある課題は皇族数の確保です。その対策として旧宮家の男系男子を養子に迎え入れる案があり、自民党はさらに“養子となった本人に継承権は与えず、その子に皇位継承権を持たせる”と主張しています。旧宮家の男系男子には天皇としての正統性があり、皇籍復帰後に、結婚され次世代が誕生する可能性もあります。まずはその方向を探るべきであり、将来的な行き詰まりを今から案ずるのは、議論を急ぎすぎではないでしょうか

 世論では女系・女性天皇を望む声も根強い。

皇位は歴史上、一貫して血筋のみで継承されてきたものです。“天皇の正統性の根拠”は男系継承にこそあり、世論の支持によって左右されるものではありません。女性天皇についても、悠仁さまがいらっしゃる以上、一時的な措置としての必要性も生じません。現時点で愛子さまが天皇に即位される可能性は、制度上も100%ありません

八木秀次 麗澤大学経済学部教授。専攻は憲法学。皇位継承に関する有識者会議のヒヤリングにも参加。著書には『憲法改正がなぜ必要か』など