今国会である“異変”がささやかれている。それは――「笑い」が目立つことだ。
自らツッコんだ豊田真由子議員
3月2日の衆議院予算委員会。緊張感が張りつめるはずの場で、思わぬ場面が生まれた。参政党の豊田真由子衆議院議員が9年ぶりの質疑に立ち、「どうぞお手柔らかに」と切り出すと、議場が一瞬ざわつく。直後に「逆か!?」と自らツッコミを入れ、笑顔を見せると、場内に笑いが広がった。
「豊田氏は2012年に自民党公認で衆議院議員に初当選。2015年には第3次安倍第1次改造内閣で内閣府大臣政務官などを務めます。しかし2017年に男性秘書に対する『この、ハゲーッ!』『違うだろーっ!』などの暴言音声が『週刊新潮』で報じられ、自民党を離党。同年の選挙に無所属で出馬するも落選。今回、参政党へ入党し、9年ぶりに国政復帰を果たしました。豊田氏の“自虐”ともいえる一言は意外性をもって受け止められたのでしょう」(政治ジャーナリスト、以下同)
“空気の変化”は、豊田氏の場面だけにとどまらなかった。同日の委員会では、高市早苗総理、赤澤亮正大臣、小野田紀美大臣の3名が同時に手を挙げる場面も話題になったのだ。
「この場面も印象的でした。質問に対して“自分が答える”という意思表示が重なった瞬間だったからです。これまでの予算委員会では、誰が答弁に立つのかをめぐって微妙な“間”が流れ、責任の所在があいまいに見える場面も少なくありませんでした。それだけに、即座に複数の閣僚が手を挙げた姿にはこれまでとは違う積極性が感じられました。議場の“空気”がどこか変わってきている、という声が上がるのも納得です」
当日の様子はSNSでも好意的な反応が目立った。
《ここまで雰囲気が変わるんだな、と思いながら見ていました》
《石破前総理の頃とは空気が違う。同じ自民党とは思えないほど活気に満ちている》
《笑いがあるのは悪いことじゃない》
一方で、《笑っている場合なのか》《切羽詰まっている国ですよ》といった冷静な声も聞かれる。
「国家予算をめぐる議論は国民生活に直結します。なごやかな空気が“ゆるさ”と受け取られるリスクも否定できませんが、注目すべきは、今回の笑いが誰かを攻撃するものではなかった点です。豊田氏の発言は自らへのツッコミであり、3人同時挙手も責任の押し付け合いではなく“自分が答える”という前向きな姿勢を感じるもので、対立の象徴だった“怒号の国会”から、対話と余裕を感じさせる場面でもありました」
政治は政策の中身が大切なのはもちろんだが、同時に、国民が目にする“空気”もまた、信頼を左右する重要な要素だろう。怒鳴り合いよりも、冷静な議論と時折のユーモア。そんな国会の姿が定着するのか、それとも一過性の現象に終わるのか――。






















