2023年シーズンの開幕間もない4月12日、読売ジャイアンツとの“伝統の一戦”を任された阪神・村上頌樹投手(27)。7回まで巨人打線を0点に抑えると、8回表の攻撃で打順が巡ってきたところで、当時の監督だった岡田彰布氏(68、現阪神オーナー付顧問)がベンチから登場。村上に代打が送られると、東京ドームは一番のどよめきが起きた。
それもそのはず、この日は7回まで零封どころか、巨人にランナー1人も許さないパーフェクトピッチングを続けていた村上に、まさかの交代を告げたからだ。完全試合達成まで6人、1対0でリードした場面で岡田氏は継投を選択したのだった。
「1点差とはいえ球数は84球と、余力を残しての交代劇に誰もが驚いた。この時、采配に悩まなかった岡田さんですが、試合後には“パーフェクトいけたんかな”と思い返すこともあったといいます。
一見、非常にも思える采配でしたが、監督として優先したのが“チームを勝たせること”と、村上にローテーション投手として“次も投げてもらうこと”でした。まだシーズン始まったばかりだけに、経験の浅い村上がパーフェクトを意識するあまり、以後の調子やリズムを狂わせることを危惧したそうです」(前出・野球ライター、以下同)
記録よりも未来に向けて
結果はというと、8回を引き継いだ石井大智投手(28)が同点に追い付かれて、村上は勝ち星を逃すもチームは延長戦の末に2対1で勝利。同年の阪神は18年ぶり6度目のセ・リーグ優勝を果たし、村上も過去2人しか達成していないMVPと新人王のW受賞を勝ち取るのだった。
「藤川監督も、会見では“(知っていたら)投げさせてもよかったかな”とする一方で、才木には“記録よりも未来に向けてどんどんよくなる方が重要”と、やはり次回以降に向けた活躍を期待しています。
自身も入団当初は先発ながら、リリーバーとしての才能を見出してくれたのが岡田さん。そんな恩師から“監督の仕事”、“阪神イズム”を受け継いでいるのでしょう」
ちなみに7日のヤクルト戦を中継した、テレビ大阪のゲスト解説を務めたのが岡田氏。“大記録”には試合終了後に気づいたようで、
「タイ記録!? ほな、何でもう1回、投げさせへんかったんや。お〜ん」
やはり監督とグラウンドの“外”では、野球の見方も変わるようで。

















