境川部屋力士は川に転落の女性を救助
力士による人助けがニュースになるのは、今回が初めてではない。
2024年1月11日、今場所で3連勝と好調の立浪部屋の力士・木竜皇(当時21歳)は、東京都内の行きつけの銭湯で心肺停止状態となった80代の男性を救命した。木竜皇は浴槽で溺れていた男性を引き上げ、約1年前に参加した地域の防災訓練の記憶を頼りに心臓マッサージで蘇生したという。その後「人として当たり前のことをした」とコメントし、《素晴らしい人柄》と称賛されていた。
さらに2020年6月10日早朝、東京都足立区にある境川部屋の近くで劇的な人命救助が行われた。
部屋から徒歩30秒とかからない毛長川にかかる「ふれあい橋」から30代の女性が自ら川に飛び込んだ。通りかかった男性による助けを求める声を聞いた師匠の境川親方(元小結両国)が若い力士たちを起こし、救助に向かわせたという。その後、力士たちが川岸から女性を引き上げ命に別条はなかった。
境川親方は救助後、「いいことをしたとかはサラサラない。男として当たり前のことをした」と語り、救助された女性への配慮から詳細を語ることを避けた。
元力士のタクシー運転手も人命救助で感謝状
現役を退いた後も、力士の精神は受け継がれている。
2025年7月、佐渡ヶ嶽部屋の元幕下力士でタクシー運転手の日野一之さんが、乗務中に東京都内の車道で倒れている男性を発見し安全な場所へ移動させ、警察に通報。都内の別の道路でも同じ対応を取り人命救助に貢献したとして警視庁世田谷署から感謝状を贈られた。
「苦しんでいる人がいたら助ける。優しい気持ちの大切さを相撲界で学んだ。親方と先代師匠に感謝です」と、琴櫻の父と祖父である佐渡ケ嶽親方と、先代師匠・元横綱琴櫻に感謝を告げた。
「相撲の世界では相手に感謝し、土俵に感謝し、師匠に感謝するという文化が根付いています。人助けを行なった力士たちがいずれも『当たり前のこと』と語った謙虚さが、『理想の強者像』として多くのファンの心に響いたでしょう」
力士たちの人助けの系譜は、これからも続いていくに違いない─。

















