目次
Page 1
ー 息子さんの年収はおいくらですか
Page 2
ー 条件検索の現実に失望する若者たち
Page 3
ー 幸せを見つけられる道筋が必ずあるはず

 

 未婚の子どもに代わって、親が結婚相手との出会いを探す「代理婚活」。親同士が交流会で相手を見極め、意気投合すれば子ども同士のお見合いへと進む─。はたしてこの方法で良縁は生まれるのか。そもそも、どのような仕組みなのか。未婚の息子を持ち、自ら代理婚活に参加したジャーナリスト・石川結貴さんの体験を伺った。

息子さんの年収はおいくらですか

 いま、新しい婚活のカタチとして注目をされている「代理婚活」。新聞の広告などで、その案内を目にした人もいるのではないだろうか。初めての代理婚活で、衝撃的な現実を突きつけられた、と話すのはジャーナリストの石川結貴さん。

代理婚活の交流会では、子どもの身上書といわれるプロフィールを持って参加しますが、最初にお話しした親御さんに、いきなり『息子さんの年収は、おいくらですか』と聞かれたんです。まず年齢、年収、学歴が一定レベル、クリアされないと、相手の親御さんには話にならない、という態度をとられてしまいます

 そもそも石川さんが代理婚活に参加したのは、2つのきっかけがあった。

長男が34歳のときに、結婚相談所に入会したんです。アプリ内でお互いの条件が合うと、仮交際、真剣交際と進むシステムで、それでうまくいくどころか、全くうまくいっていないと聞いて、何に原因があるのだろうと思ったのが1つ。

 もう1つは、購読している新聞に、代理婚活の広告が頻繁に載っていたことです。検索すると、ネットでもたくさん出てきて、これは取材をしてみたいと思ったんです」(石川さん、以下同)

 職業上の興味半分、息子の心配半分で参加したところ、冒頭のような洗礼を受けたというわけだ。

 代理婚活が始まったのは15年ほど前で、実は少し前からあったもの。

マッチングアプリや結婚相談所など手軽な婚活方法がどんどん普及するなかで、結婚支援事業者も当事者だけでなく、親をターゲットにした婚活ビジネスにシフトしてきました。50代以上の親御さんは、比較的生活にゆとりがある方が多いし、何より子どもの結婚相手への強烈な願望がある。そこを事業者は狙ったわけです

 しかし代理婚活での成婚率の数字は、はっきりと確認できないという。

「事業者の会報には、子どもの挙式写真など成功例が載っているようですが、私の印象では、成功するほうがレアケースなのではないかと。というのも、参加する親御さんの『お相手に対する希望』欄を見ると、『医師なので生活を支えてくださる方』など、親の一方的な願望がありありと伝わってきます。大事なうちの子の結婚相手なんだから、この水準は当然、と思っている節があり、それが成婚につながらない理由の一つだと思います。

 でも最も大きな理由は、その場に来ているのはあくまで代理の親ということ。子どもに内緒で来ている人も少なくないですし、仮に親同士が意気投合し、子ども同士でお見合いさせましょうという話になっても、当人から『いやだよ』と言われたらおしまいですから。やはりそこが、代理婚活の最大のハードルではないでしょうか