“親子の姿”を近隣住民が証言
自宅アパートは、最寄りの京成電鉄公津の杜駅から徒歩で25分ほど。住人などによると、2DKで家賃は4万円台と比較的安価な賃貸物件という。父子は1〜2年前に転居してきた。
「父親は年相応の雰囲気で、特に変わった様子のない普通の男性でした。息子さんは“おはよう”“こんにちは”と、会えば挨拶をしてくれる子でしたね」(同じアパートの男性住人)
大聖さんは知的障害があったというが、近隣の証言によると不自然な振る舞いはなく、軽度とみられる。
また、転居当初の容疑者は仕事をしていたという。
「薄いブルーグリーンの作業着の上下で出勤していました。小学生の親としてはご年配ですが、優しそうなパパでしたよ。いつも息子さんのランドセルや荷物を持ってあげていて。息子さんもパパと一緒にうれしそうに歩いていました。
手をつないでいるときもありましたね。パパは息子さんを毎日学校に送り迎えしていたんです。最初は車を使っていたんですが、いつごろからかチャイルドシートつきのママチャリで送迎するようになったんです」(近所の40代女性、以下同)
大聖さんは学区の小学校には通っておらず、転居前から通う小学校まで遠距離通学していたようだ。電動アシスト付き自転車ではないため、成長した大聖さんを後ろに乗せてペダルを漕ぐのはつらかったろう。
「卒業まであと少しだから、お友達と離れたくなかったのでしょうか。息子さんが11歳になるまで、働くシングルパパの子育ては大変だったはずです。手がかかるのは小学校までですが、これから中学・高校と進学するにつれお金がかかるようになります。
ご自分の年齢などを考えて悲観したのでしょうか。生活保護受給や公的機関への相談など、もっと周囲を頼れなかったのかなと悔やまれます」
容疑者宅前には、後部に大型チャイルドシートを設置した自転車があった。頭部をガードする大きなヘッドレストなど、安全性や乗り心地を重視しているように見えた。道路交通法では小学校入学前の幼児しか乗せられない。4月から自転車にも「青切符」制度が導入され、社会の厳しい目も向けられるようになった。
「現時点で遺書とみられるものは見つかっていません。手で首を絞めると数時間は赤く変色するんですが、大聖さんの首に圧痕はありませんでした。時間経過などにより消えることもあるため、司法解剖して死因を調べるなど慎重に捜査します」(前出・捜査関係者)
将来を悲観して無理心中を図ったのであれば、容疑者はどのように命を絶つつもりだったのか。遺体と並んで食べ物を口にしなかったのか、失ったものの大きさに放心してしまったのか。犯行の前に、子育てで噛み締めた幸せな瞬間を思い出すことはできなかったのだろうか……。

















