アルコールは10年摂取せず
40周年を記念し、各地を回るツアーが始まった。ステージの構成や選曲にも独自のこだわりがある。身構えてしまいがちなクラシックやオペラを身近に感じ、お客様に楽しんでもらうことを大切に、『ロック トゥ バロック』、『声楽バラエティ』と題するリサイタルには、「上質を知る人」ならではのこだわりが詰まっていそうだ。
「マイクなしの生声一本、ピアノ一本でどこまでできるかということに、これまでの歌手人生を懸けてきました。超シンプルな声とピアノだけの構成で人生の喜怒哀楽を届けたいですね。自分の人生をストーリーとして伝えるかのように、選曲や順番を構成しています。
トークも挟みながら、テノールの魅力が詰まったバロック音楽、学生時代から好きだったロックバンドのクイーン、誰もが知っている日本歌曲、ポピュラーソング、ロッシーニなどのオペラ・アリア、オペレッタ、カンツォーネ、大好きなアニソンまで」
とはいえ、歌唱は典型的な声楽スタイルを貫いている。
「まさに、『ロックからバロックまで』でしょう? 敷居が高いとかいわれるクラシックコンサートですけれど、私の場合、客席で携帯が鳴ってしまっても平気です。そんなときはステージから『もしもし!』って声をかけて、気分をほぐしてあげますね。だってその人、申し訳ないって気持ちでいっぱいでしょうから(笑)」
生声一本勝負を支えるために、健康管理も徹底している。喉や身体を観察し、さまざまなことを試しながらベストな選択を続けてきた。
「風邪をひかない」ことを徹底し、鼻うがいを欠かさず、アルコールもここ10年ほど口にしていない。コンサートの前日は塩分を控え、野菜・果物を中心にとってきたが、近年はタンパク質の重要性にも気づき、肉、魚、大豆製品も積極的にとっている。
ストレスとなるものを極力避け、オフには大好きなゲームをとことん楽しむことも健康の秘訣といえそうだ。
「特に身体に悪いところはないのですが、デビューのころから20キロも増えたんですよ。健康維持のために、最近は1日30分のウォーキングも始めました。人と関わりたくないから、ジム通いなんて絶対嫌です(笑)。あと、ゲーマーなので、腱鞘炎には気をつけていますね」
次の節目となる45周年、50周年……と、今後に向けた展望や計画はあるのだろうか。
「ノープラン!! 悪く言えば惰性になるのかもしれないけれど、自然体、かつ全力で今後も歌っていきたいですね。新しくチャレンジしたいこともない。定年の年齢まできたので、ここからは健康と向き合って、ギスギスせず穏やかに生きていきたいです」
40年間磨き込まれた澄みわたるテノールを聴きに、コンサート会場に足を運んでみてはいかがだろう。
錦織健 テノール・リサイタル
・10月8日(木)13:30/会場:東京オペラシティ コンサートホール
・チケット購入先 ジャパン・アーツぴあオンラインチケット https://japanarts.pia.jp/ ジャパン・アーツぴあコールセンター 0570-00-1212 東京のほか、北海道から九州まで、全国約20か所でリサイタルを開催予定。
取材・文/合田みれい

















