とはいえ、朝ドラの看板は主役であり、その好感度が成否を左右する。その点、河合は十分な貯金の持ち主だ。『あんぱん』では薄幸だが芯のある役を演じて、主役を食ったという声も出た。

朝から不快に感じる人もいそう

 ただ、この作品では今田美桜や原菜乃華のような、タイプの違う女優とのコントラストがプラスに働いていた。そういう意味では、女中役やヒロインの生き別れた妹役を経て『おかえりモネ』に主演した清原果耶が、いまひとつの評価だったことを思い出したりもする。

 しかも、河合の主演朝ドラまでにはまだ2年もある。その間に、スキャンダルで失速するかもしれないし『ふてほど』の印象も薄まってしまう。NHKにすれば、来年あたりパート2でもやってほしいところだろう。

 ちなみに『ほんのモキチ』は「朝ドラ史上最も不仲な夫婦」の物語だという。おそらく夫婦ゲンカがリアルかつコミカルに描かれるのだろうが、朝から不快に感じる人もいそうで、結構難しい方向性なのではないか。

2028年前期の連続テレビ小説、NHK朝ドラ『ほんのモキチ』脚本・宮藤官九郎、主演は河合優実
2028年前期の連続テレビ小説、NHK朝ドラ『ほんのモキチ』脚本・宮藤官九郎、主演は河合優実
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 なお、朝ドラは8時開始となった『ゲゲゲの女房』('10年度前期)から約10年、安泰期が続いたが、ここ数年はそうでもない。次々作の『巡るスワン』でやはり民放色の濃い脚本家・バカリズムが起用されるのも、テコ入れ策のひとつと考えられる。

 とはいえ、究極のテコ入れ策はかつてのように無名の若手をいきなりヒロインに抜擢するようなやり方だろう。来年度後期の朝ドラには、それをひそかに期待している。

 とまあ『ほんのモキチ』に対してはやや「不適切」な締めくくりになってしまった。「ほどがある」とまではいかないと思うが。

ほうせん・かおる アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。