そんな父を常々、「憧れ」と語ってきた上田だが、

「上田選手はそんな憧れのお父さんを“鬼”だと話したこともあります」

 チュニジア戦を地上波で放送した日本テレビでは、試合前に小学生時代の上田のプレーが当時の指導者の証言とともに紹介された。ボールを受ける前にマークを外す動きにシュート力。当時から非凡な才能を発揮していたことが伺えた。

父からのダメ出しで「帰りの車が地獄」

「小さなころはお父さんにサッカーを教わっていたそうですが、点を取れなかった試合の後などはかなりの“ダメ出し”をもらっていたようで、帰りの車が怖くて仕方なかったそうです。点が取れない試合では試合の途中からそれが気になりだすほど。

 “帰りの車は地獄”で、送り迎えの運転をしてくれるお父さんの隣となる助手席が嫌で、それを気づいていたお母さんが気を遣って助手席に乗っていてくれることもあったそうです。当時所属していた鹿島のスポンサー『リクシル』のYouTubeにて当時を振り返ってそう話していましたね」

 チュニジア戦後、冒頭の原動力という言葉に、「自分の妻」「子ども」「現地に来てくれる両親」「兄弟」「友達」と続け、「この人たちの期待に応えたい」と語った上田。

父として育児に励む上田綺世(本人インスタグラムより)
父として育児に励む上田綺世(本人インスタグラムより)
【写真】「家族からパワーをもらった」父として育児に励む上田綺世

「同じフォワードだったお父さんの檄がその後の上田選手の成長を支えたことは間違いなく、ゆえに今18番を背負っている。しかも日本代表で。今の日本代表、そしてオランダリーグで得点王になるほどの活躍で、お父さんも仏の顔になりっぱなしではないでしょうか(笑)」

 父の日に贈った2ゴールは、厳しく育ててくれた父への最高のプレゼントになったはずだ。少年時代に恐れた“鬼の父”を喜ばせるべく、次戦のスウェーデン戦でもエースの一撃に期待がかかる。