さまざまな感染症対策

 こうした取り組みはトロントだけではない。開催都市ではコンドーム配布に加え、さまざまな感染症対策も強化されている。

ブラジル対ハイチ、コートジボワール対エクアドル戦が行われたアメリカのフィラデルフィアでは、コンドーム配布に加えてHIV検査を実施。バーや飲食店とも連携し、HIVの暴露後予防(PEP)に関する情報提供も積極的に行っています。

 また、オランダ対チュニジアやアルゼンチン対アルジェリア戦が開催されたアメリカのミズーリ州では、ジャクソン郡公衆衛生局が『レッドカードキャンペーン』を展開。

 サッカーの反則カードになぞらえ、性感染症やその他の感染症、熱中症に“レッドカード”を突き付けるというユニークな啓発活動で、大会を盛り上げながら健康意識の向上を図っています。世界中から何百万人ものサポーターが集まる一大イベントだけに、試合だけでなく人々の健康を守ることも重要な“開催国の使命”となっているのでしょう」

 一方、こうした海外の取り組みに対し、日本のSNSでは文化や行政広報の違いに注目する声も相次いだ。

《日本なら公的機関が『寝室でも得点を』なんて表現を使ったら大騒ぎになりそう》
《コンドームのパッケージにBlok those shots(そのショットをブロックしろ)とか書いてあるらしくセンスあるなぁと思ったり思わなかったり》

 ユーモアを交えながら性感染症予防を呼びかける海外ならではの公衆衛生キャンペーン。“日本なら大騒ぎになりそう”と驚きの声が上がる一方で、世界中から人が集まる大会だからこそ必要な取り組みともいえる。日本代表の快進撃の裏で、“サッカー仕様コンドーム”も今大会の異色トピックとなっている。