裏切りに借金……今の救いとは

 また「若いころはほんっとにモテたのよねえ」と言う独身時代の恋愛も痛快だ。

《27か28の頃ね、同じマンションの上と下の階で2部屋借りていて、それぞれの部屋に違う男を待たせたりしたこともある。/ただ、非常階段で行ったり来たりしていたら、1部屋の男に「何してるの?」って聞かれて、「あたし……、何してんだろ?」って、さすがに我に返ったわ》

 実際、今もおきれいだが、若いころの写真は超絶美人。

植草(克秀)が“ピン子さん、アイドルみたいに可愛かったですねえ”って(笑)。相手がいないときがなかったもん。で、男が変わるたびにベッドを替えてたから大変だったわよ。よく週刊誌にバレなかった、うまかったなあ」

 人気ドラマに引っ張りだこで2時間ドラマは全局制覇。CM出演も多数だったが、事務所社長の裏切りで50歳のときに多額の借金を背負う。またそれ以外にも、不動産購入時など「どうしてこんなにお金のことで騙されるんだろうね」と言う苦難の人生。

「自分のギャラを知らなかったんだよ。個人でやることになって“1本いくらですか?”って聞かれてもわからないから想像で答えてみたら、安すぎるって驚かれた。で、“そうか、前回と同じでって言えばいいんだ”と気づいて。そしたら“こんなにくれてたの!?”だよ(笑)。だから、大谷(翔平)さんの気持ちがすごくわかる。お金のことに気を回していたら、あのすごい成績はないですよ

 エネルギー源は「阪神、大谷さん、山本(由伸)さん」と現在の推しを告白。さらに、

村上(宗隆)はもうちょっと体重落とせよ、だから肉離れしちゃうんだよ。阪神は長嶋(茂雄)さんの追悼試合で巨人に勝つなよ」

 と、愛あふれる辛口提言。飾らない正直さがここからもうかがえる。

 そして人を見る確かな目。40年来の盟友で'24年に他界した西田敏行さんは「ピンちゃんが売れるって言った人はみんな売れるな」と語っていたという。

“泉ピン子が「売れる」と言った芸能人は出世する”を証明した上戸彩
“泉ピン子が「売れる」と言った芸能人は出世する”を証明した上戸彩
【写真】「モテてしょうがなかった」若いころの泉ピン子が美しすぎる

北川(景子)も天童(よしみ)も上戸(彩)も、みんな売れたもんね。あとヨネ(米倉涼子)。騒動のとき“大丈夫か?”って連絡したら“人生いろいろ”“優しいコメントありがとう”ってさ。で、“電話番号変えて古いヤツは全部切っちゃえ”って送った。私も切ってるよ。家の電話もない。だって人のことババアだと思って“◯◯証券です!”とかが多いじゃない。知らないっての!」

 そして最後に、著書で貫くテーマ“死”について。《死ぬことは怖くない》と綴られてはいるが……。

「この前ちょっと思ったんだけど、やっぱり怖いね。ママは本当に“はぁ”って息を吐いて亡くなったけど、死後どうなるかわからないし。

 何より、嫌なことがあると“このままじゃ死ねない”って思うでしょ。そういう怖さ。余命宣告されたら復讐したい相手、いっぱいいるもん(笑)。まあ、考えてみたら楽しかったね、人生!」

 いやいや、この先もとびっきりのパワフルオーラで、「週刊誌なんて大っ嫌い!」とバシバシ叩いてくださいませ!

『ピン!として逝くのもいいじゃない ピン子78歳、最後に残したい言葉』(徳間書店)は好評発売中。芸能界の話から現代を生きる女性へのヒントとなるエピソードがいっぱい 撮影/佐藤靖彦 ※写真をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします

取材・文/今井ひとみ 撮影/佐藤靖彦