TBSの賢明な対応
実際に、過去のインタビューでは「乃木が別班であることを、考察させるために引き伸ばしているわけではなく、練りに練ったうえで、明かすタイミングをズラしている」と話し、考察ではなく、熟考されたストーリーが先行していると説明している。
「『VIVANT』の構成は、福澤監督が一度1話から10話まで作り上げたものを何度も再考し、試行錯誤を重ねたうえで完成したものです。こうした“リビルド”はシーズン2でも行われているでしょう。
前作においては、ネット考察はまるで考えていなかったようですが、『VIVANT』が考察でさらなる熱を帯びたのは事実です。過度な考察が生まれるような状況は作らないでしょうが、今作の再構築の中には、あらかじめ“考察要素”が組み込まれているかもしれませんね」
一時は現場を離れたものの、“福澤イズム”は作品に刻み込まれていることだろう。
一方で、あるドラマ制作関係者は、フジテレビで発生したハラスメント疑惑に触れつつ、TBSの“放送予定変更なし”の判断について、次のように話す。
「佐藤二朗さんと橋本愛さんの間で発生したハラスメント疑惑において、フジテレビの声明を受けた佐藤さんは、一時、9月公開予定の映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』の《僕のところは全てカットしてほしい》と主張しましたが、のちにこれを撤回。作品に迷惑はかけられないという思いからの判断だったとみられています。
一方で、フジテレビ側は主演の男性俳優が決まっていた中で、来年1月クールに予定していた月9ドラマの制作中止を発表。ドラマの題材が夫婦であったことや、このタイミングで“恋愛もの”をやるべきでないという判断だといいますが、これには“早計すぎる”という指摘が上がっています。
今回のパワハラ事案に関しても、作品に罪はありません。TBSの判断は賢明と言えるのではないでしょうか。福澤監督の行為は許されるものではありませんが、不祥事への厳正な対処と、作品を世に届けること。TBSはその両方を天秤にかけることなく、どちらに対しても“誠実であること”を選択したのだと思います」
“情熱”が裏目に出てしまった福澤監督だが、作品に宿る彼の魂までが否定されるべきではないのかもしれない。


















