2026年7月21日にXで投稿された「コーラ1本600円」の自動販売機
2026年7月21日にXで投稿された「コーラ1本600円」の自動販売機
【写真】物議を醸している「コーラ1本600円」富士山山頂の自動販売機

 15年前に撮影されたと思われる山頂付近の自動販売機の動画を確認すると、当時からは100円程度の値上げで大きな変動がないようにうかがえる。その点についても確認してみた。

「物価高もあって少しは上がったけれど、運送方法は変わっていないし、(値上げは)ほとんどしていないです。今だったらSNSで山小屋の実情もすぐにいろいろな人に理解されるようになったけれど、昔はそうでなかった。昔のほうが『高すぎる』と文句を言われましたよ」

 とはいえ、こうして議論が起こるように、まだまだ本当の山小屋のリアルな経営状況は知られていないといえるかもしれない。

設置には平地以上の時間とさまざまな工程

「燃料費も物価高もあるし、山小屋の維持はこれからもっとお金がかかるようになる。一度、山小屋を見にきてほしいですよ。今後、値上げはあると思います。

 それから山の世界では、自分の持ち物は原則自分で調達することが鉄則。運べるのであれば自分の家などで用意したものを持ってきてもらったほうがよいかもしれません」

 毎年、営業部メンバーも同乗し、毎年7月の開山に合わせてブルドーザー等で自販機を搬入し、8月下旬に撤去するという運用を継続中だという、コカ・コーラボトラーズジャパン。

 橋都さんも指摘していた、高地での作業ならではの苦労があるという。

富士山頂への機材搬入はブルドーザーで行うため、山頂までの道のりは激しい揺れが続きます。また、山頂は空気が薄く、平地とは異なる環境での作業となります。そのため、機材の搬入から設置までには平地以上の時間とさまざまな工程を要しますが、登山者の皆さまに山頂でおいしくコカ・コーラ社製品を楽しんでいただくため、毎年こうした環境下で設置作業を行っています」(同社広報)

 登頂後の登山者のノドと心、そして山小屋の懐事情も優しく潤す“600円”。街中なら二の足を踏んでしまう価格でも、富士山の未来への投資と考えれば高くない買い物なのかもしれない。