目次
Page 1
ー 年をとると、筋力の低下で誤嚥を起こしやすくなる
Page 2
ー 早いうちから対策すればより短期間で効果が得られる
Page 3
ー 誤嚥性肺炎を起こしやすい人の特徴
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ー 食事前にマメに行っておでこ体操

 

「食事のときにムセる……そんな症状を放置しておくのは非常に危険なことです」と言うのは嚥下障害ケアの第一人者・藤島先生。ムセは嚥下力の低下が招く症状だが、誤嚥性肺炎の引き金となったり、しっかり飲み込めず、将来、食事をする楽しみが奪われてしまうことも。たかがムセと思わずに、今日から即効きエクササイズを始めてみよう。

年をとると、筋力の低下で誤嚥を起こしやすくなる

「食べ物や水がうまく飲み込めないのを年のせい、と放置してはいけません。飲み込むときの口やのどの働きを“嚥下”といい、嚥下がうまくいかず水や食べ物が気管に入ってしまうことを“誤嚥”といいます。ムセて苦しい思いをするだけでなく、窒息や誤嚥性肺炎の原因にもなり、命にかかわる病気の引き金になります」

 そう教えてくれるのは医師の藤島一郎先生だ。そもそも「ムセ」は、気管に誤って入りかけた食べ物や唾液などの異物を、咳によって外へ押し出そうとする身体の防衛反応だ。

「ムセたときは我慢せず、しっかり咳き込んで異物を出し切ることが大切です」(藤島先生、以下同)

 誤嚥は夏の疲れや脱水が蓄積している秋口も要注意。身体が脱水状態になると、のどの粘膜が乾燥して唾液が減り、飲み込む力が低下して誤嚥を起こしやすくなっている。ムセるのが身体の防衛反応なら、放っておいてもいいような気がしてしまうが。

「ムセる原因となる誤嚥、そのものがよくないのです。しょっちゅう誤嚥を起こしていると、やがては異物と一緒に肺に細菌が入り込み、誤嚥性肺炎を引き起こします」

 誤嚥性肺炎は日本人の主要な死因の一つで、国の調査によると、2024年に誤嚥性肺炎で亡くなった日本人は6万3667人と、高齢者では最も危険な疾患のひとつと考えられている。

「年をとると、筋力の低下で誤嚥を起こしやすくなります。また、肺に細菌が入ったときの抵抗力も低下しています」

 特に厄介なのが、気管に異物が入ってもムセない状態だ。老化でのどの感覚が鈍くなると、異物が気管に入り込んでもムセる反応が起きずに、異物がとどまり、肺炎を引き起こしてしまうのだ。

「食後、のどがガラガラしたり、原因不明の微熱や気管支炎を繰り返したりする場合はムセない誤嚥が起きている可能性があり、要注意です」