(注意)ムセ方や飲み込みに異常を感じた場合や、改善が実感できない場合は医療機関を受診しましょう。
食事前にマメに行っておでこ体操
飲み込む力が強くなり、のどがつまったりつかえたりしなくなる効果がある。1~2を4回で1セットとし、食前に2~3セット行うようにしよう。
1・イスに座って正面を向き、両手をおでこに当てる。
2・おへそのほうを見るように、おでこを強い力で下げ、両手はそれに抵抗するようにやや下向きに押し返す。これを5秒キープしてから1に戻り、5秒休む。
POINT 机に座ってひじをついて行ってもOK。ひじが机についていると、両手でおでこを押す感覚がわかりやすい。頸椎症の人は無理に行わないこと。
腰上げごっくん体操
ムセや飲み込みの違和感に加え、逆流性食道炎の症状もある人におすすめ。尿もれの改善効果もある。1~4を4回で1セット。朝晩に1日3セットずつ行おう。
1・枕は使わず、床の上にあおむけに寝て、両足を肩幅に開いてひざを直角に曲げる。両手は手のひらを下に向けて身体のわきに置く。
2・腰(お尻)をできるだけ上げる。肩からひざまでが一直線になるのが理想だが、無理はしないこと。このとき、お尻を締めるようにすると、尿もれの対策にもなる。
※この姿勢をとることが大変な場合は、枕を腰の下に入れて行ってもOK。
3・腰を上げた状態で、力強く唾液(つば)を飲み込み、この姿勢を10秒キープする。
4・ゆっくり腰を下ろして、呼吸を整える。
POINT 飲み込んだ唾液が、のどから胃に到達するまでに10秒かかるので、最低でも10秒はあけて繰り返す。食事の直後に行うのは避けよう。
息を強く吐き出す! ハフィング
息を吐き出す力が強まり、呼吸機能が向上する。誤嚥物やたんを吐き出すときにも役立つ筋肉を鍛えられる。1~2を繰り返して1日3セット行う。
1・イスに座り、鼻からゆっくり息を吸い込む。
2・口から声を出さずにできるだけ強く「ハッハッハッハッ」と息を吐き、最後に「ハーッ」と息を吐き切る。吐くタイミングに合わせて両腕で胸郭を圧迫する。
*肋骨を手で覆うようにして胸郭を圧迫しよう
POINT 最後まで息をしっかりと吐き切ることが重要。息を吐くことが重要なので、声は出さずに行って。
呼吸筋トレにブローイング
呼吸筋を鍛え、肺胞を広げて呼吸機能を高める効果がある。コップに水を入れるだけでもできるが、トレーニング中に水がこぼれてしまうことも。きれいに洗浄したペットボトル上部にストローの太さと同じ大きさの穴をあけ、ストローを差し込んだブローイング用のペットボトルを使用するのが効果的。
1・ブローイング用のペットボトルに水を入れ、キャップの閉め具合を調整する。
2・ストローでブクブクと泡が立つように、できるだけ長く息を吹き込む。呼吸筋トレにブローイング イラスト/赤松かおり
POINT 水の量が多いほど難易度が上がる。鼻からゆっくり息を吸い、口をすぼめて、ゆっくり長く息を吐き出すことでも同様の効果が得られるが、難易度の調整などしたい場合はペットボトル活用がおすすめ。過度に行うと過呼吸になるおそれがあるので注意する。
キャップの閉め方で難易度(強度)が変わる
キャップをしっかり閉めると、かなり強く吹かないと泡が出ない。キャップを閉めるほど難易度が上がる。
食事中のムセが驚くほど減少する! 息こらえ嚥下
食事中に行えるムセを抑えるアクション。意識的に息を止めて食べ物を飲み込むと、気道に食べ物が入りにくくなる。いきなり食べ物を口に入れて行うのが不安な場合は、唾液を飲み込む空嚥下で訓練をして、慣れてきたら食べ物で試してもOK。
1・食べ物を口に入れたら、鼻から十分に息を吸い込んで、息をしっかり止める。
2・息を止めている間に、意識を嚥下に集中して食べ物をゴクンと飲み込む。
3・飲み込んだら、口からハーッと息を勢いよく吐き出す。
POINT 食事中だけでなく、嚥下の訓練として行うのも効果的。訓練は、唾液を飲み込む空嚥下で行おう。自分がムセやすいものを食べるときにもトライしてみて。
これらの体操は、嚥下障害リハビリテーションで指導する訓練法の一部で、これまでにたくさんの患者さんの嚥下障害を改善してきた実績のあるメソッドです。
取材・文/鷺島鈴香
藤島一郎先生 浜松市リハビリテーション病院えんげセンター特別顧問・医師。嚥下障害を改善する訓練法を考案。著書に『食事でムセる誤嚥・飲み込みにくさ自力で克服! 名医が教える最新1分体操大全』など。


















