まずは下のセルフチェックにトライして。特に誤嚥を起こしやすいNG習慣が「上を向いて飲む姿勢」や「しゃべりながらの食事」だ。上を向いて飲み込もうとすると、気管に食べ物が入り込みやすくなる。下にある正しい姿勢を参考にしよう。

早いうちから対策すればより短期間で効果が得られる

嚥下力テストと水飲みテスト イラスト/赤松かおり
嚥下力テストと水飲みテスト イラスト/赤松かおり
【写真】飲みにくさを解消! 自宅でできる「ごっくん体操」の方法を紹介

「楽しくしゃべること自体は食欲を増進していいのですが、息継ぎの拍子に誤嚥が起きがちです。話し終えてから食べ物を口に入れる。飲み込み終わってから話し始める。これを心がけましょう」

 万が一ムセてしまったら、まずは咳を出せるだけ出し切ること。そして、呼吸を落ち着かせて、のどに負担の少ないものからゆっくり食事を再開しよう。誤嚥や誤嚥性肺炎を防ぐには、のどの筋肉を鍛え、体力をつけることが大切だ。

「のど仏を持ち上げる筋肉は加齢とともに衰えやすいので、食事の前に今回紹介する『ごっくん体操』をマメに行いましょう。嚥下障害は早いうちから対策すれば、より短期間で効果が得られます」

 また、口腔環境が悪いと、雑菌が唾液に混ざりやすく、それを誤嚥すると肺炎の直接的な引き金ともなるので、毎日の歯磨きは丁寧に。

 さらに筋肉の材料となる良質なタンパク質や脂質を中心とした栄養摂取を心がけて。食事については、現在ムセやすい人は、汁物や飲み物に「とろみ」をつけるとムセをかなり防げる。こうした日頃の小さな積み重ねで、100歳までおいしく食べられるのどを保ちたい。

ムセ・誤嚥が起こりやすい意外なタイミング

朝ごはんのみそ汁

 朝起きたばかりだと、のどの筋肉もまだ目覚めていない。熱い汁物をすすって飲む動作は気管に入りやすく危険。朝食前におでこ体操などでのどの準備体操を行い、みそ汁は少し冷ましてから飲もう。朝ごはんのみそ汁

ペットボトルのラッパ飲み

 上を向いてペットボトルから直接水分を流し込むと、のどから気道へ一直線に飲み物が向かい、誤嚥しやすい。一度口に含んでからあごを引き、少し下を向いてから飲み込むのが安全。

就寝中

 寝ている間に口の中の唾液とともに細菌が気管に流れ込む可能性があり、夜中に突然ムセるという人は実は多い。寝る前にしっかり歯磨き・うがいをして、口の中の細菌を減らしておくことが大切。
さらに、GER(胃食道逆流)がありムセるという場合も多く、これも誤嚥性肺炎の大きな原因のひとつ。