陛下と秋篠宮さまとの意思疎通はオンラインなどを活用

 とはいえ、「今でも秋篠宮さまは弟として天皇陛下を慕っているのでしょう」と語るのはジャーナリストの江森敬治さん。

「かつて、天皇陛下が中学生で秋篠宮さまが小学生の頃、東京に大雪が降った日がありました。その際、陛下が家にあったソリに秋篠宮さまを乗せて、東宮御所の庭で引っ張ってくれたことを、秋篠宮さまがお話になり、非常に印象的な思い出であることが伝わってきました

 プライベートでは仲睦まじい関係性を続けてこられたお二人だが、公の場では“お立場”が付いて回る。

その点においては、一般国民とは違った価値観が存在するので、我々には理解し得ない葛藤があると思います。秋篠宮さまのご発言も建前である可能性があり、本音は『兄と弟』という親しい関係性なのかもしれません。生身の人間・兄弟という関係性においては優しく頼りになる兄で、同時に『天皇陛下と皇嗣殿下』という立場でもあり、プライベートと立場の違いを使い分けられているのではないでしょうか」(江森さん)

 こうした複雑な関係性は国民にギクシャクした印象を与えてきたが、どちらの関係性においても足並みがそろった瞬間があった。

「8月18日からパラグアイを訪問される秋篠宮ご夫妻は、13日に記者会見を開かれました。会見で7月24日に公布された『改正皇室典範』について聞かれると、秋篠宮さまは“天皇陛下が話されたことも、もっともだと、そのとおりだと私は思っています”と皇室典範改正について初めてご心境を吐露されたのです」(皇室ジャーナリスト、以下同)

 “天皇陛下が話された”とは、6月11日、陛下が欧州訪問前に開かれた記者会見で“国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります”と発言になったことを指す。

「陛下はこれまで皇室典範改正に対し明言を避けてこられましたが、議論が加速したタイミングで“国民の理解”に言及されました。今回、秋篠宮さまもこのご意見に“賛同”され、半ば強引に改正を進めた政府の方針に対し、皇室として意見が一致した形になります

 かつて意見の相違が取り沙汰された過去があるからこそ、今回の「意思の一致」と「4人公務」で見せる団結力には大きな驚きと関心が寄せられている。

「現在、陛下と秋篠宮さまとの意思疎通は“ホットライン”やオンラインを活用されていると言います。しかし、かつて『三者会談』が行われていた頃は宮内庁内部でも“直接会って話すことが大切”という意見も多く聞かれました。今はそうした対面での機会がほとんど作られていません」(宮内庁関係者)

 直接会いに行くことすらも“深読み”されてしまう状況下ではあるものの、さらに一歩進んだ会談が重要だと江森さんは力説する。

陛下と秋篠宮さま、そして将来的には悠仁さまを加えた『新三者会談』を設けるべきだと思います。陛下から秋篠宮さまへの兄弟間での皇位継承も江戸時代以来であり、話し合う機会は必要ですし、国民へのアピールにもなるでしょう。ただし、皇室においては立場が最も上の方からの声掛けでなければ開催は困難であり、陛下から秋篠宮さまたちに、お声掛けいただければ、スムーズに実現するのではないでしょうか

 4人が足並みをそろえ臨まれる公務のお姿は、言葉以上に強く、皇室の『一致団結』を強く印象づけることになりそうだ。

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に2025年4月刊行の『悠仁さま』(講談社)や『秋篠宮』(小学館)など