自分の住む地域のことを知る
「災害対策を何から始めたらいいかわからない人は、まず自分の住んでいる地域の災害リスクを知ることから始めましょう。『地震10秒診断』というウェブサイトで確認できます」
さらに、家庭ごとに必要な備蓄品がわかる「東京備蓄ナビ」や、防災グッズを提案する「パーソナル防災サービス」などのサイトを使えば、どんな備蓄品をどのくらい準備すればよいのかを具体的に知ることができ、やみくもに防災グッズを買う必要はなくなる。
また、大規模な災害が発生すると、家屋の倒壊やライフラインの停止などが原因で、自宅に住めなくなることがある。近くの避難所を地図で確認するだけでなく、一度、徒歩で行ってみることも災害対策だ。
「目的地の途中に坂道や階段があれば、到着までに予想していた以上に時間がかかる場合も。特に高齢者や小さなお子さんと一緒に避難をする予定の人は、一緒に歩いてみると練習になります。到着までのルートや所要時間を事前に知っておくことで、いざというときに落ち着いた行動がとれますよ」
防災というと乾パンなど特別な備蓄品が浮かぶが、辻さんは「日常的に食べているもの」を推奨している。
「普段から食べている米、パスタ、冷凍うどん、お菓子などを少しずつ多めにストックし、備蓄しています。それを日頃から賞味期限の順番に食べ、また補充する、日常備蓄(ローリングストック)です」
心身が弱ってしまう被災時には美味しいものが心の健康につながるため、自分の好きな食べ物を備蓄しておくのがおすすめだ。
「私は出張先でご当地レトルトカレーを買って自宅に持ち帰り、“災害用リュック”に入れています。新しいカレーを買うたびにリュックの中のカレーを食べ、入れ替えます」
この日常備蓄に、冷蔵庫の中の食品をプラスすることで、自宅避難で1か月は暮らせるようになる。
「水も、何年も保存できる災害用の水ではなく、スーパーで売っているミネラルウォーターを多めに買って日常的に使い、減った分を補充すればいいのです」
備蓄は家の中のさまざまな場所に分散させることも大切だ。1か所にまとめて保管していると、その場所が被災すると取り出せなくなってしまう。
一方、防災用品を買っただけで安心してしまい、開封せずそのまま保管しているというケースがよくある。
「防災用品を買ったら必ず使ってみてください。特に災害用トイレは災害時に急に使うのは難しいので、使い方に慣れておきましょう」
“被災しても自治体がなんとかしてくれる”と思っている人もいるが、被災地では自治体に頼りきることは難しいため、心構えが必要だと辻さんは話す。
「基本的に、災害対策は自分たちで行うことが大前提。自宅が崩壊危機にある人は避難所に行く場合もありますが、避難所は自治体が屋根と床だけを提供してくれる場所と考えて、自分でしっかり備えましょう」














