目次
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ー 毒親殺しや冤罪のやりきれない背景
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ー 余暇の時間は写経が大人気
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ー ふとした瞬間に蘇る「堀の中」の記憶

 計3年半にわたり女子刑務所に「2度」入った経験を持つ最上六花さん。2度の収監だからこそ見えてきた「堀の中のディープなリアル」と「多様な受刑者たちの凄絶な人生」とは。現代社会の歪みが凝縮された女性受刑者たちの人間ドラマに迫ります。

 有印私文書偽造、詐欺幇助の罪で2度、合計3年半、女子刑務所に服役した最上六花さん。会社からの指示で顧客に詐欺を働くための書類を作り、逮捕されたのだ。その際の経験がコミックエッセイ『女子刑務所はこわいよ』(漫画:小池恵子、協力:最上六花/竹書房)になり、過酷な女子刑務所での生活が話題に。

 今年3月に2冊目の『女子刑務所に2度入りました』が発売となり、女子刑務所内の知られざる人間模様を語ってくれた。女性受刑者は、窃盗罪と覚醒剤取締法違反が多く、約8割を占めるという。中でも最上さんがよく覚えているのが、お金持ちの“組長の娘”だ。

「彼女は覚醒剤を使用して服役していましたが、モデルのようにきれいでとにかくお金持ち。刑務所で支給される日用品は質が悪いのですが、彼女は領置金(収監される際に、刑務所に預ける金品)を使って、高級シャンプーや新品の下着、靴下などを購入していました」

 受刑者の多くは家族からの送金も少なく、刑務所から支給される「官物」の日用品を限界まで使い倒していた。最上さんも2〜3か月に1度、両親から3000〜5000円が送られてくるのみ。自費で新品の日用品を頻繁に購入できる組長の娘は異例だった。

「下着も靴下もお古が渡され、穴があけば継ぎ当てをして使うのが当たり前。なのに彼女はいつも新品を使っていてうらやましかったです。ただ覚醒剤で服役する人は再犯率が高く、組長の娘で、お金があっても、厳しい人生が続くのだろうと思いました。

 女性は自ら覚醒剤に手を出した人は少なくて、恋人から打たれたことがきっかけというケースも多く、やるせなかったです」

 刑務所内では、私物の譲渡や貸し借りは厳禁で、バレたら懲罰対象となるため、所有できる人への嫉妬も大きい。

「まじめに作業をして班長になると、月に1回お菓子がもらえるようになります。でも周囲からは妬まれ、無視されたり、いじめの対象になりやすいんです。知らないうちにポケットにお菓子を仕込まれて懲罰対象に仕立て上げられた人もいました」

 気の弱そうな人は、いじめられたり物を盗られる対象になりやすい。被害に遭ったら刑務官に報告し、毅然とした態度を取り続けることが大事だという。