目次
Page 1
ー flumpool・ギタリストに訴訟問題発生
Page 2
ー 阪井一生が法廷で語ったこと
Page 3
ー 「和解に応じるつもりはない」

 

 ピアニスト・作曲家の大浦史記(ふみのり)氏は、およそ8年間にわたり、flumpool(フランプール)のギタリスト・阪井一生(かずき)の依頼でドラマの劇中で使用した楽曲(以下、劇伴)を制作してきた。しかし、その楽曲は、大浦氏の名前が表記されないまま世に出ていったという。

flumpool・ギタリストに訴訟問題発生

「当初は口約束に近い形で明確な契約を結んでおらず、ギャラも1曲あたり数千円程度でしたが、自分の名前が出ないことを大きな問題とは捉えていませんでした。作った音楽がテレビから流れてくることが純粋にうれしかったですし、ドラマ音楽の制作に携われる喜びがあったためです」(大浦氏、以下同)

 やりがいを感じていた反面、制作した楽曲が世に出ていく中で、自身の権利や実績がまったく残らないことに徐々に疑問や不安を抱くようになる。

10月13日、東京地裁中目黒庁舎で本人尋問が行われスーツ姿で出廷した
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 そんな中で阪井から依頼を受けたのが、'25年に放送された多部未華子主演のドラマ『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(TBS系)の劇判制作だった。

「これまでどおり、ドラマのイメージを伝えられ、16曲を制作してデータを提出しました。その中の1曲が、今回の訴訟の対象となっている『声にならない想い』です。4度目の依頼となる今回こそ、自分の名前を作曲者としてきちんと表記してほしい――。

 そんな思いから、楽曲がこれまでと同様に採用されるのであれば、公式サイトのスタッフ欄やドラマのエンドロールに、阪井氏と連名で名前を掲載してほしいと話をしました」

 しかし阪井からは、エンドロールや公式サイトに名前を記載することは難しいと説明され、サウンドトラックと配信であれば共作にできるかもしれないと提案を受けた。

「CDの発売が正式に決まったら改めて話し合いましょうと伝えましたが、その後、連絡はなく、'25年4月にSNSを通じて、サウンドトラックが発売されることを知ったのです」

 大浦氏が制作に携わった『声にならない想い』が収録されていたこともあり、作曲者としてのクレジット表記を求めたものの、CDはすでに完成してしまったとのことで今回も実現は見送りに。

「JASRAC(日本音楽著作権協会)への作品登録についても調べてみると、過去に自分が作曲したと考えている楽曲が、阪井氏の名義で登録されていることがわかりました」

 裁判所が間に入って調停を試みたものの、合意には至らず、'25年9月、阪井を相手に訴訟を提起したのだった――。