第四話「毎日、揚げもの」は、訪問介護の仕事をしながら、シングルマザーで四人の子どもを育てる48歳の高木花絵が主人公。本編では業務スーパーの食材がよく登場する。原田さん自身、業務スーパーを利用するという。

「夫の仕事の関係でシンガポールに住んでいたとき、お米と鶏肉を炊き込むシンガポールチキンライスをよく食べていました。シンガポールではショウガのタレを好みで合わせるのですが、そのタレを業務スーパーで見つけてすごく懐かしかったです」

 これまでお金、食べ物、本、老後問題の4つのテーマを主にして、小説を書いてきたという原田さん。本作はその流れの中でできあがった一冊だという。

「この小説の中には、いろいろな暮らしを営む人たちが登場します。誰か一人でも共感できる人がいたらうれしいですし、『自分もこういうことをしてみようかな』と思っていただけたら、作者としてとても幸せです」

最近の原田さん

「2年ぶりくらいに短く髪を切り、洗うのも乾かすのもラクになりました。私は髪の量が多くて、中学時代、三つ編みをするとすごく太くてなって『ごん太』と言われていたくらい。髪の毛自体も太くて、家の中の抜け毛が目立ち、家族から文句が出たことも……。年齢的に髪が少し細くなってきたこともあり、髪の毛の手入れがしやすくなりました」

『#台所のあるところ』 原田ひ香 文藝春秋 税込み1980円
【写真】女性なら共感ポイント多し? 原田さんの最新作

取材・文/熊谷あづさ 

原田ひ香(はらだ・ひか)/1970年、神奈川県生まれ。大妻女子大学文学部日本文学科卒。会社員やシナリオライターなどを経て、2007年に『はじまらないティータイム』で第31回すばる文学賞を受賞。2018年刊行の『三千円の使いかた』はミリオンセラーに。ほか、『母親ウエスタン』『ランチ酒』『口福のレシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『古本食堂』『財布は踊る』『老人ホテル』『図書館のお夜食』『喫茶おじさん』など著書多数。