hoikuen1

 夏休みに海外旅行へ出かけると、慣れ親しんだ土地とは全然違う食文化やサービス、ルールに驚いたり、日本で外国人旅行客のとんでもない振る舞いにイラッとしたりしたことはあるだろう。

 そこで日本人が驚く、世界のびっくり常識を教えてもらった。

【イギリス】人種差別じゃない! 挨拶しない英国人

 外国で知り合いに挨拶したのに、無視されてしまった……。“人種差別では?”と思っちゃいそうだけど、イギリスでは違うようだ。

「イギリス人は顔を知っているくらいでは挨拶をしません。同じ会社に所属し、深夜に同じタクシーに相乗りしても次の日は無視。日本人の感覚と全然違いますよね。ちゃんと人間関係ができれば親切ですが、あまり開放的な国民性ではないんでしょう」(社会人類学者の原麻里子さん)

 実際に、同じ大学で顔見知りの先生方も、食堂での朝食後や教員用ルームでは、新聞でお互いに顔を隠して話をしないこともよくある光景だとか。

【インド】「他人からの迷惑を許せ」と教育する国

 “人様に迷惑をかけてはダメ”と教わる日本。

「インドでは〝他人には迷惑をかけてしまうものだから、迷惑をかけてくる相手も許せ〟と教えるそうです」(日本語教師・海野凪子さん)

 日本でこの教えに従う人が出たら、トラブル続出!?

「“迷惑をかけない”“約束を守る”など、日本人は自分たちの常識を相手も当然持ち合わせていると信じすぎるところがある。だから外交下手と言われてしまうのかもしれません。世界には、失敗や裏切りを許すことが優先される文化があると知ったとき、心が開かれるような思いでした」(海野さん)

【香港】月曜から金曜まで子どもは預けっぱなし

「日本の子育ては家族で行ったり、忙しくても週末は家族で過ごすなど、親子のふれあいを持つことがよいとされています。しかし、香港では、月曜日から金曜日まで保育園やベビーシッターに子どもを任せることは少なくありません」 (江戸川大学・斗鬼教授)

 他人に子どもを預けっぱなしにするなんて、日本の夫婦だったら育児放棄を疑われたり、バッシングされてしまいそうだけど……。

「子育ては家族で、ということ自体、世界の共通認識というわけではありません。香港では生活も効率のよさを求めるので、育児をベビーシッターに頼むだけでなく、家事をハウスキーパーに任せることは普通。日々の生活で専門家の手を借りることが多いのです」(斗鬼教授)