■実はこっそりどこかで繰り広げられている?

 しかし、仲よくしようとするために不満を堪えてしまうことも。

「生きた時代も生活習慣も異なる2人ですから、かみ合わないことはあります。掃除の仕方、料理の味つけ、冠婚葬祭でのマナー、孫の教育方針などで対立することが多いようですね。それでもお互いが“仲よくしなければ”と考えるために我慢してしまう。特にお姑さんは、昔イビられた過去があるので耐えているのかもしれませんね。嫁に対して、腹にイチモツを抱えたまま接しているうちに、ある日突然、爆発することも少なくありません」(石川さん)

 爆発の仕方も、決して怒鳴るわけではなく、無視をしたり冷たくしたりと、一見してわかりにくい程度のものに変わってきているというのだ。

「顔で笑って、心は鬼に……ということは多いです。面と向かって言うのがはばかられる人たちが、カタチを変えてお互いに牙をむいていることには違いありません」(二松さん)

 見た目には減ってきた嫁姑バトルも、実はこっそりどこかで繰り広げられているのかも。

「昔に比べて仲よくなりすぎてしまったことで、コミュニケーションにズレが生じてしまったのです。TPOは絶えず変化し、ここ10~15年の間でも大きく変わってきている。気を遣ったつもりが逆効果なんていうこともある。持っている常識のものさしが違うので、お互いに何が正解かがわかっていないはず。怒らず、やさしく指摘してあげてください」(石川さん)

*「姑と舅の関係が良好なら、負の感情の矛先は嫁に向かない」と二松さん(写真はイメージです)
*「姑と舅の関係が良好なら、負の感情の矛先は嫁に向かない」と二松さん(写真はイメージです)
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(取材・文/小島裕子、本誌「嫁姑」取材班)