柴咲コウの連ドラ単独初主演、東山紀之の5年ぶり連ドラ、さらには最終回で40・0%の視聴率(ビデオリサーチ調べ。関東地区)を記録した『家政婦のミタ』の制作チームの再結集と、放送前から話題になっていたドラマ。大平太プロデューサーは、予想以上の反応に顔をほころばせる。

「『○○妻』の○○には何が入るんだろうと気になってご覧になった方が多いようですね。初回の放送終了後は『ミタ』のとき以上にメールや電話が来ました」

 脚本の遊川和彦も、

「反響は今までで一番多いですね。面白い、先が読めない、チャレンジングな感じがするという感想を多くいただきました」

 ヒロインのひかり役の柴咲コウは、役作りに格闘した様子。

「セリフが多く、右脳も左脳も使わなければならない新しい挑戦でした。語りながら、叫びながらというように、理屈と感情が混在しているのが遊川さんらしいと思いました」

 正義感に燃え“俺の言葉で社会を変えてやる”というニュースキャスターの夫・久保田正純(東山紀之)を、ひかりは献身的に支えていた。家事はもちろん、番組出演衣装のコーディネート、番組への率直な意見まで用意する完璧な妻だ。

 でも実は、2人は籍を入れていなかった。ひかりのたっての願いで、3年ごとに更新する“契約書”を交わしていたのだ。契約して6年、3度目の更新時に正純が改めてプロポーズするも、ひかりは断固拒否……。初回を見て、○○妻は契約妻と思った人も多いはず。ところが放送終了後、公式サイトには“契約妻ではありません”と注意書きが登場したのだ。○○にはいったい何が入るの?

「契約婚だったけれど、契約妻ではないんだと、あえてお知らせしたかったのです」(大平P)

 答えは最終回まで見ないとわからない?

「そうではありません。ただ僕は最後まで見て、○○に入る言葉が見つかりました。それを遊川さんに伝えたら“なるほどね”とクールに返されましたし(笑い)、柴咲さん、東山さんは“それはあるよね”と。答えのあるものではないので、みなさんご自身で想像していただければ」(大平P)

 正純を心から愛しているのに、ひかりはなぜ、契約婚にこだわるのか?  このドラマの最大の謎は、なんと物語中盤の5話(2月11日放送)で、早くも明かされる。

「ひかりは、過去にあった出来事を洗いざらい、正純に打ち明けます。どんな秘密があるのかは伏せますが、この回をご覧になれば、ひかりの行動原理が明らかになり、契約婚にこだわる理由が納得していただけるはずです」(大平P)

 最終回直前に持ってきてもおかしくないヒロインの秘密を中盤で明かすことに、大平Pは不安もあった。

「今までの連続ドラマにはない、遊川さんの挑戦だと思います。怖い気持ちはありましたが、描かれたものが明確だったので、賛同できました」

 第2幕ともいえる6話以降の見どころは?

「すべてを聞いた正純が、ひかりを受け入れるかどうかですね。男は小さな生き物ですから、過去がヘビーであればあるほど苦しむだろうし、楽なほうに行ってしまうかも。ひかりの正純への愛の行方にご注目ください」(大平P)

 6話以降で描かれる物語には、スタッフが落涙しているという。始まりはミステリアス。だけど、究極のラブストーリーなのだ。

「主人公はひかりですが、目線としては正純の“自分の伴侶の○○には、何がふさわしいか?”といった考えで見ていただくとわかりやすいし、お楽しみいただけると思います!」(大平P)