ママレンジ
 『レモンケーキ』が再ブームになるなど、昭和に流行ったものが再注目されている。そこで一世風靡した昭和の玩具の裏側について取材した。

◆ママレンジ

1969(昭和44)年発売

 お化粧をしたり、料理をしたり、お母さんのマネをしたくてたまらなかった女の子たちが、心を躍らせた商品がコレ。

 ‘69 年にアサヒ玩具というメーカーから発売された『ママレンジ』は“本当に料理ができる”オモチャだった。

 当時まだそれほど普及していなかったシステムキッチンのガスコンロを再現したもので、家庭用電源を使用し付属のフライパンで直径10センチのホットケーキを実際に作ることができた。

 当時としては価格が2500円という高額なものだったが、1年間で17万個も売れる大ヒット商品であった。その後、ケーキや綿菓子、ポップコーンが作れるタイプも発売された。

 残念ながらアサヒ玩具も『ママレンジ』も今はなくなってしまったが、現在はパンケーキが作れる『ホイップリッチパンケーキ』を製造・販売する玩具メーカーの株式会社メガハウス。

「実際に料理が作れるオモチャは女の子の憧れでした。いつの時代も子どもは大人のマネをしたいですし、大人の使っているモノが欲しいんです。携帯電話やパソコンのオモチャもよく売れたと聞きます。いま人気なのは実際にパンケーキが作れるオモチャですし、今はタブレットやスマホのオモチャもあります。これらは昔と違って実用性があります」(メディア戦略部の板垣有紀さん)