農業が盛んで、物価の安さは全国トップの宮崎県。しかし、給与が日本一安い県でもあり、しっかり者の宮崎女性には苦労も多いという。そのわけを県民性に詳しい矢野新一さん(ナンバーワン戦略研究所)に聞いてみると、

「おもしろいデータがあって、宮崎県は世帯あたりの弁当購入額が日本一。調べてみると、宮崎女性は17時まで会社勤めをした後、弁当を食べて夜はスナックでバイトをして稼いでいました」(矢野さん、以下同)

 ところが、のんびり気質の宮崎男性には預貯金の意識がまるでないという。

「基本的に九州の男性はお金にルーズな人が多く、過去、自己破産額トップ10の中に九州全7県がランクインしたこともあります。簡単にお金を借りて、無駄遣いをしてしまう。これはまさに県民性ですよね」

 さらに、ルーズさに磨きがかかっているのは沖縄男。

「沖縄県はいちばん貯蓄志向がありません。特に男性はお金に限らず、会社勤めをしてもすぐにやめるし、男女関係も我慢できずに離婚したりします」

 貯蓄額ビリも納得の結果だという。

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 そのほかの県でも、お金遣いにまつわる県民性には男女格差があるようで、

「ミーハーなものも買うけど、安いものを選ぶ能力を兼ね備えた“買い物上手”は埼玉県と奈良県の女性。東京都の女性は無駄遣いもしてしまうけど、意外ときっちり生活費を計算できる。一方、男性がしっかりしているのは、お金に細かい歴史をもつ岡山県と富山県」

 貯蓄額が上位にランクインするのは東京都と埼玉県。女性がしっかりしている県が強いようだ。では、男女ともに理想的なお金の管理と貯蓄ができる県は?

「無駄遣いをしない滋賀と、社長輩出率トップの福井県でしょうね。世帯あたりの課税対象所得額を比較すると、1位は東京都で408万6000円。2位以下は愛知県、神奈川県、福井県、滋賀県と続きます。大都市圏が上位に並ぶ中で、すぐ次に肩を並べる福井は、やっぱりすごいですね」

 共働きでがっちりナンバーワンは福井県に決まり?

【お話を伺った人】

矢野新一さん・・・(株)ナンバーワン戦略研究所所長。県民性研究の第一人者で本を多数執筆している。スマホアプリ『ズバッと! 県民性』の監修も務めている。