皇太子妃雅子さまは、12月9日に52歳の誕生日を迎えられた。“〇年ぶりの出席”と報じられることも多くなった昨今だが、来年は久しぶりのご活動として宮中祭祀や記者会見への参加が期待される。

 宮中祭祀とは、皇居の宮中三殿などで行われる伝統的な祭儀のこと。両陛下をはじめ皇族方が、国家の安寧や国民の幸せを祈り、歴代天皇の法事にあたる例祭も数多くある。この中で皇后美智子さまがお務めになるのは元始祭(げんしさい)や各例祭をはじめ、神嘗祭(かんなめさい)など年に14回もあるという。

 美智子さまからその祭祀を引き継がれるのは、次の皇后である雅子さまだが、

「皇太子妃殿下が園遊会に出席されたことで、同じくご負担が大きく、長らく欠席が続いている宮中祭祀や宮中行事へのご出席も期待されると思いますが、すぐには難しいのではないでしょうか」

 そう話すのは、元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さん。

「宮中祭祀では、宮家の女性皇族は、ロングドレスで宮中三殿前のお庭で拝礼します。

 しかし、皇太子妃は潔斎(けっさい)で身を清め、髪をおすべらかしに結い、十二単のような装束を着て、厳粛な雰囲気のなか、殿上での拝礼と決められており、ご負担が大きいと思われるからです」(山下さん)

 伝統行事のため『園遊会』を中座されたように、一部だけに参列したり、祭祀自体を簡略化することは難しいという。

 逆に、もし宮中祭祀に復帰できれば、雅子さまは「本格復帰」に大きく近づいたことになる。

 一方、雅子さまは記者会見についても'02年12月に行われた39歳の誕生日会見と、ニュージーランド・オーストラリア公式訪問前の会見以来、13年間行われていない。宮内庁担当の記者はこう明かす。

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39歳お誕生日での記者会見。これ以後は、文書での感想が発表されている('02年12月)

「多くの記者やカメラがある限られた空間で、ご自分の意見を述べることは負担と重圧があるのだと思います。

 一昨年のオランダ訪問後は、お出まし先で記者に声をかけることが増え、話題になりましたが、そんな積み重ねが会見につながればと思います」

 別の東宮職関係者は、こんな考えを口にした。

「最近、妃殿下は同行されませんが、皇太子殿下が趣味の登山をされるときは、“オフレコ懇談”といって、記事にしない懇談会が、設けられます。まずそういった非公式な場から始め、少しずつ慣れていただくのがいいと思います」

 皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡辺みどりさんは、こんな提案をする。

「雅子さまの昔の肉声しか知らない国民も多いでしょうから、会見を開いていただきたいですね。久しぶりのおひとりでの記者会見は負担や重圧があると思うので、まず皇太子さまの誕生日会見(2月)に出席されるのはいかがでしょうか。

 質疑応答は皇太子さまが行い、雅子さまは同席だけという形にすれば、負担感は少なく、単独会見への道筋もできると思います」

 雅子さまの主治医や東宮大夫が繰り返すように、ご活動への「過度な期待」は重圧になるので禁物だが、2016年はさらなる雅子さまの“奮起”を待つ国民も多いはず。