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 2016年。新年早々、今の日本に足りないものについて街の人の声を聞いた。

「有能な政治家でしょう。昔に比べるとスケールも小さければ、国民への理解度も狭量。もっと国家や国民を考える政治家が出てくれば、まともになるはず!」(30代・女性)

「優秀な国民が足りない。政治や社会のせいにする人が増えたと思う。“愚民の上に苛き政府あり”とは福沢諭吉の言葉ですが、未熟な社会やダメな政治家が目立つようになったのは、国民のレベルが下がったから」(50代・女性)

 のっけから喧々諤々の様相を呈している今回のテーマ。たまった鬱憤をぶちまけたい人が大勢いるってことは、それだけ今の日本に不満を感じている人が多いということだろう。

「2015年の漢字に『安』が選ばれましたけど、まったく意味不明。物価も高ければ、この国で暮らす安心感や安全性も疑わしい。体感できない『安』が多すぎるのに、今年を象徴する一文字に選ばれる……安っぽい国に成り下がったもんだとアキレました」(40代・女性)

「心のゆとりが足りていない。みんな不平不満を訴えるし、カリカリしている。『社畜』や『マウンティング』『下流老人』などの言葉が一般化して、自らを弱者だと割り切ってしまう“あきらめの社会”になっている。“どうせオレ、社畜だから”なんて思っている人に仕事を任せたいと思います? もっと心にゆとりをもってほしい」(40代・男性)

 言われてみれば、悪い側面ばかりを見てしまう人が増えたような気が。

「冷静な目が必要だと思います。ネットのデマに流され、風評被害に過敏になり、自分で情報を精査する力や判断力が乏しくなっている。“わかったつもり”になっているだけで、物事の本質への理解や勉強が足りない」(50代・女性)

「使命感がない! 根性もない! この国を支えるんだという強い気持ちが希薄だ。われわれが若いころは“なにくそ”という反骨心やハングリー精神があった。軟弱な若者が増えてしまい情けない。もし日本が有事を迎えたときに彼らはこの国を守れるのか? そもそも守る気があるんだろうか……」(60代・男性)

「“誇り”こそ必要でしょ。世界で日本人が活躍すると“やはり日本人はすごい!”という風潮が年々高まっていますよね。それだけ今の国家や自分に自信がなくて、日本人の誇りを求めている人が増えているのではないか?」(40代・男性)

 どれも耳が痛い意見ばかり。

「現実問題として、今の日本に足りないのは子どもですよ。子どもがいなければ、日本のあり方も変わっていってしまう。結婚、育児、子育て……当たり前のことができないから、未来がすり減っていく」(30代・女性)