■借金してでも一番いいホテルに

リビングの片隅にはゆかりちゃんとの思い出の写真や小物を飾った棚が設けられている
リビングの片隅にはゆかりちゃんとの思い出の写真や小物を飾った棚が設けられている
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 横山家には長女のゆかりちゃんのほかに、当時生後8か月だった次女(20)と、事件後に生まれた三女(15)がいる。妹たちはお姉ちゃんがいない寂しさを吐露したり、事件発生時の両親の行為を責めることは一切ないという。

「たぶん気を遣ってくれているんでしょうね。家族間でゆかりの話はあえてほとんどしませんが、次女と成人式の着物を選んでいたとき“お姉ちゃんだったら何色を選ぶかなあ”と話しました。昨年はビラ配りにも参加して、人見知りなのに一生懸命、配ってくれた」(光子さん)

 ゆかりちゃんが戻ったら、3姉妹そろって着物を着せるのが両親の夢だという。

「次女は成人式で着た緑色を着るとして、ゆかりは派手すぎない古風な赤色、三女は青色か紫色のイメージですかね」(光子さん)

 保雄さんは、こう話す。

「黄色と緑色が大好きだから差し色に入れてほしいですね。俺、センスいいんですよ。ズラッと並んだ着物の中から、“ゆかりに一番似合うやつはコレだ!”って、ばっちり選んでみせますよ」

 お父さん子だったゆかりちゃん。

「俺と写っているときの笑顔がとびきり可愛い」と、ツーショットを指でなぞる。一方、光子さんは厳しく接していたことを気にしつつも「作った料理はなんでも残さず食べてくれた」

 と懐かしむ。

「ゆかりが帰ってきたら、いちばん最初に食べさせてあげたいのは……カレーライスかな。わが家では鶏ささみ肉カレーが定番なんです。ミックスベジタブルを入れて色とりどりにして、出してあげたい」

 ゆかりちゃんが帰ってきて最初の家族旅行には、妹2人も大好きなディズニーリゾートへ1泊2日の旅を希望しているという。

「そのときは借金してでも、一番いいホテルのスイートルームを取りたいなあ」(保雄さん)

 離れて過ごしたぶん、きっとまた会えるはずの愛娘との計画は尽きない。

「それでも、なかなか見つからないことを実感する瞬間はひどく落ち込みますね。ご先祖様でもどこかの幽霊でもいいから、ゆかりの居場所を教えてくれたらいいのに。でも親ですから絶対に諦めない。ゆかりが無事帰ってくることをいつまでも願い続けます。家族みんながそう願っている」

【ゆかりちゃんについて】

・1991年7月11日生まれ(現在24歳)

・特徴1 おでこが広い

・特徴2 耳が大きい

・特徴3 お腹の左側に楕円形のアザ

【重要参考人について】

・特徴1 当時の推定年齢は30~50歳

・特徴2 身長158cmほど

・特徴3 がに股歩きで背中に八の字のジャンパーを着用

・店内防犯カメラの映像では、重要参考人はゆかりちゃんに話しかけ店外を3回指さし、その後、出入り口方向へ進んだあと、ゆかりちゃんも続いたという。

【情報提供先】

・群馬県警太田署:TEL0276-33-0110

・群馬県警ホームページ内の『ゆかりちゃん誘拐事件』についてのページ  http://www.police.pref.gunma.jp/keijibu/02sou1/yukari/top.html