夫の実家には変なルールがあって、どうしてもなじめないという女性は多い

 いくら夫の実家といっても、そこは“別家庭”。どうしてもなじめない、どうしても受け入れられない文化がそこにあった。

「毎年、お盆は夫の実家に泊まりで行かなきゃならないんです。実家には変なルールがあるし居心地が悪いから、できれば行きたくない。そもそも、お盆に帰らないといけないっていうのも、私には変なルールに思えます」

 と、ため息をつくA子さん。その時点で、「わかる、わかる!」と思う人は多いのでは? 嫁と姑の関係、夫の実家という別家庭のルール、何年たっても戸惑いは隠せない。

 そんなときどうしたらいいのか、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美さんに聞いてみました。

「そもそも、結婚した以上、“嫁と姑の問題”って、永遠のテーマで、残念ながらこのふたつが交わることって、一生ないんです」

 と断言し、「だから、国際結婚だと思っちゃえばいいのよ」と、新たな発想を教えてくれた。

「例えば、インドの人は素手でごはんを食べますよね。それを見て、“ごはんはお箸で食べないとダメでしょ!”とは言わず、自分もやってみようって思いますよね。

 つまり、結婚は“国際結婚”、相手の家は“別文化”だと思えば気はラクになりますよ」

 また、嫁が姑に対し“非常識だ!”と思うことは、確かにたくさんあるかもしれないけれど、そこは価値観の違いだから仕方ないという。

「姑さんにとっては、それが常識かもしれませんよね。でもそれは自分の価値観であって、人に押しつけてはダメなんです。その家にある文化を、なぜあなたが変えるんですか?

 それに、今からや姑に言ったとしても、もう変えることはできないし変わらないですからね(笑)。違う、おかしい、やっぱり変だ、と思えば思うほど、ストレスになるだけですよ」

 つまり“郷に入っては郷に従え”ということ。とはいっても、嫁の立場からすると、夫実家の非常識問題は尽きることなく帰省のたびに、ため息が出ちゃうもの。

「だったら発想の転換で、“ここはひとつ、私のスルー力を鍛えるチャンスだ!”と思えばいいんですよ。スルー力、つまり受け流すこと。姑に非常識だと思うことをされても、うまく流せばいいんです。

 このスルー力を身につけておけば、子どもの保護者会やご近所付き合いなどでも、あとあと役に立ちますよ」

 国際結婚と考えたり、スルー力をつけるチャンスだと思ったりすれば、夫実家の非常識も、面白くなるかも。

【プロフィール】
◎池内ひろ美
夫婦・家族問題評論家であり、日本女子力推進事業団の代表理事。テレビや講演などで夫婦や家族問題について鋭く分析。新刊『とりあえず結婚するという生き方』(ヨシモトブックス)好評発売中。