ただの防災講座ではなく、生きる力を見直す機会

「被災地で出会った方には必ず“またお会いしましょう”と言って帰ります」と花子さん

 それでも花子さんは防災シンポジウムに手ごたえを感じていると話す。

「講演に行くと、まず尋ねます。今、ここで地震がきたら私をどこに連れて行ってくれますか? すると、“あそこに山があるからそこに逃げたらいい”なんて教えてくれる。“おばあちゃんはそこに行きますか?” と聞くと“いやあ、しんどいしなぁ”なんて言う。

 “もう死にたい。人生どうでもいい”。そう言っていた人たちがシンポジウムの最後には“頑張るね”と言ってくれる。これはただの防災講座じゃなくて、生きる力を見直す機会なんですね」

 大助さんも力強く、

「まだ被災されてないみなさんを前にすると、どうしても被災者にさせたくないと思うんですよ」

 9月3、4日、2人は『宮川大助・花子ファミリー劇場 妖精の里~命の架け橋~』(13時開演・17時開演、大阪・テイジンホール)という舞台を行う。テーマはまさに「復興と防災」。大助さんが言う。

大助さんは「被災者を1人でも助けられるならどこへでも行く」と真剣な表情で語る

「1部と2部があって、1部が南海トラフ危険地域に指定されている地域の物語で、2部のほうが被災地の仮設の物語になっています。3・11での体験がどれだけの“学び”になっているかを伝えられたら」

 舞台内容は、大助さんが実際に取材した人々の証言や事実の描写がミュージカル仕立てで構成されている。

「被災地の方は“夢と希望をください”と言います。そんなみなさんの背中をポンと押してあげられるようなものにしたい。そして、危険地域に住むみなさんの意識が高まればと願って、この舞台を作りました」