「3歳児以降の発育には集団生活が必要?」

 しかし、一方で年齢制限の撤廃に反対する声も。主な論拠は「3歳児以降の発育には集団生活が必要だから」というもの。

 駒崎氏が反論する。

「何人から集団とみているのか判然としません。ざっくりと“集団がいい”というんです。しかし、実は答えが出ています。クラスサイズについてアメリカで、ある実験をしたところ、少人数のクラスのほうが成績はよかった。そもそも小学校の話になると、みんな“少人数学級がいい”というじゃありませんか」

 都内の待機児童数は増加しており、今年4月時点で8466人。なんとか解消しようと知恵を絞る自治体もある。

既存の幼稚園を活用、小規模保育所と認可保育所の橋渡し

 練馬区は昨年9月、既存の幼稚園を活用する『練馬こども園』を創設した。保育所の機能を併せ持つスタイルで、現在13園が認定されている。

「区内に私立幼稚園が多いんです。ただし、幼稚園が園児を預かるのは基本的に午前9時から午後2時まで。夏休みなど長期休暇もある。そこで『前後の預かり時間を増やして1日11時間、長期休みもなしでやってほしい』と要望しました。職員体制などで負担をかけるので区が補助金を上乗せしています」(練馬区こども施策企画課)

 来年から3園増えるという。

 小池氏のお膝元である豊島区は、小規模保育所と認可保育所の橋渡しに奔走する。小規模保育の卒園時に園児を受け入れてもらう狙いがある。

「近隣の保育所に連絡を取って園庭開放や夏祭り、ハロウィンなどにまぜてもらうんです。長い目で見れば園児を確保できるので保育所にもメリットがあると考えています」(豊島区保育課)

 待機児童の解消が急がれる。