自分の人生に納得できればパワーに

山崎育三郎 撮影/坂本利幸
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 山崎さんが演じるティックは、性転換した年長のバーナデットと若くて明るいアダムという仲間とともに、ときには人々の酷い差別に泣き、つらい経験をしながらも支え合い、前向きに生きていく。そのパワーの源は、どこにあるのだろう。

「“自分らしさ”じゃないかな。自分に嘘をついていない、というところだと思うんですよ。大事なのは自分の人生として、いま納得できているかっていうこと。

 これは誰にでもあてはまることだと思うんですけど、人に対してやっていること、行動していること、発言していること、仕事、友達、家族、すべて含めて、本当に自分の人生、それでいいと思って生きているのか。

 たぶん誰もがいろんなことで葛藤しながら生きていると思うんですけど、ティックたちの“私はこうよ!”って言い切れる何かが人を魅了すると思うし、人を惹きつけるエネルギーになるんだと思うんです」

 山崎さん自身、『これで自分らしいと言えるのか? 納得できるのか?』という葛藤はいつもしているという。

「誰でも人生において決断しなきゃいけないときがあると思います。大きな何かを。そういうときには自分自身と会話をします。周りがどう見てるだとかどう思うかじゃなくて、1回しかない人生の中で、自分自身がどうしたいのか。最終的には自分に問いかけています。

 いままでも迷いだらけではありましたけど、後悔したくないから最後には自分で納得できるチョイスをしたいなといつも思っています」