一匹狼の又兵衛を動かしたものとは

 旅以外にも、馬の稽古や槍の扱いも練習したという。

槍を操る哀川翔 (C)NHK
槍を操る哀川翔 (C)NHK
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「やっぱり“槍の又兵衛”だから、めちゃくちゃ練習しました。本物の槍も持たせてもらったけど、10尺(約3m)あるんですよ。とんでもなく重たいし、あんな槍を振り回していたんだから、相当な力持ちだったんでしょう」

 大坂冬の陣では、徳川勢を退けた豊臣方。物語は最終決戦の夏の陣へと向かっていく。

「“五人衆”はバラバラだけど、とにかく今回の戦に勝つということを、最後まで信じ切っていた。ほかの4人には家や信仰、豊臣への忠誠心など、それぞれが引きずっているものがあるのに対して、一匹狼の又兵衛を動かしたものは、自分の存在が世の中に必要なのかということ。黒田家を出奔した又兵衛は、自分を認めてくれる人に仕えることで、生きがいを感じたのだと俺は解釈しています」

現場でノコギリクワガタを捕獲!

 ロケ現場でも虫好きは止まらない!?

「みんな俺が虫の話ばかりしていたと言うけど、イメージだよイメージ(笑)。普通の人よりちょっと好きなだけだから」

 昆虫採集が趣味と公言している哀川は、ロケ現場でも“愛”は止まらなかったようで……。

「水飲み場に、たまたまノコギリクワガタがいたんですよ。みんなには、採るなって言われたけど、“うちに来たほうが幸せだよ”って。うち、虫にとってのオアシスだから(笑)。もちろん今もそのクワガタは生きているよ」