本番前に毛筆やペンで練習をする多部

「手紙を通して人と関わり鳩子の人生は豊かになっていきます。亡くなった祖母とも言葉でつながっていくのです。祖母がどんな気持ちで接していたのか、自分はどう生きるべきか。祖母に思いを馳せていきます」

鎌倉で代書屋として歩み始めた鳩子は、さまざまな人と出会い、成長する (c)NHK
鎌倉で代書屋として歩み始めた鳩子は、さまざまな人と出会い、成長する (c)NHK
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 毎話、鳩子が引き受ける手紙は重要なアイテム。原作の挿絵の手紙も担当した萱谷恵子さんが手がけている。ひとりの人が書いたと思えないほど、手紙によって文字が違うのには驚く。直筆ではないとはいえ、鳩子が机に向かうシーンがあるため、多部は毛筆やガラスペンなどで文字を書く練習をしているそう。

 各世代の男性陣のカッコよさ、鳩子と守景との関係の変化なども注目ポイント。

「現場での人気者は“はーたん”(新津)です。“お父さんだよ”と言ったら“はーい!”と上地さんに抱きついて、抱っこされていました。お医者さんごっこが大好きで“先生を信じてください”とキャストのみなさんを順繰りに診察しています(笑)。鳩子が字を書いているときに、とても楽しそうな顔をするんですよ」

 SNS全盛の現代。懐かしい通信手段になりつつある手紙のよさを再発見できそう。

「パソコンなどでは簡単に文章を直せます。でも、手書きの手紙は、相手への思いを強くして集中して書かないと、失敗する。だからこそ、人間関係の深さが表れるのでしょう。私も今作を手がけてから、メールですませていたのが、直筆の手紙を添えるように心がけています。鳩子の成長を見守っているうちに、みなさんもきっと手紙が書きたくなると思います!」