小出恵介
未成年と飲酒し不適切な関係を持ったとして、俳優・小出恵介さんが無期限活動停止となったことに伴い、10日から放送予定だった小出さん主演のドラマが急遽放送中止に。こうした事態を受けフィフィは、問題が起こるとすぐに作品がお蔵入りになってしまう最近の風潮に危機感を抱いているという。

なぜすぐにお蔵入りになってしまうのか……。

 連日報道される、芸能人による薬物や不倫などの不祥事。同じ芸能人として残念な気持ちになります。

 だけど、それ以上に残念なのが、問題を起こした芸能人が活動を自粛するだけでなく、その人が出演する番組やドラマが放送中止に追い込まれたり、チケットを購入するかどうか、つまり観たいかどうかの選択肢が与えられている映画までもがお蔵入りになってしまう風潮です。

 私の記憶では、かつて映画はそのまま上映されていたし、テレビ番組も“これは何月何日に収録されたものです”とテロップを流すなどの再編集はするものの、その程度の対応に留めていたと思うんですね。

 実際、薬物で逮捕された大物映画俳優の作品は、いまもテレビで紹介されることがありますし、同じく薬物で逮捕された有名アーティストの作品も耳にすることがあります。

 それがなぜ、今回のケースのように、すぐにお蔵入りになってしまう風潮、言いかえれば、他のキャストやスタッフの努力が水の泡になってしまうような事態、作品を観たいと思う人の権利が守られることのない風潮に変わってしまったのか。

 その理由としては、ネットワーク社会において、たとえマイノリティーであったとしても、クレーマーの声が届きやすくなったことがあげられると思います。そして、イメージを重視するスポンサーはこれを恐れている。

 また作品を放送すべきではないという方々の意見には、「制裁が必要」「罪を犯した人間にギャランティーを発生させてはいけない」、あるいは単純に「不快だから」といったものがあります。

 制作側は、スポンサーやこうした世間の声を恐れ、事務所側はその申し訳なさから中止の判断をしているんじゃないかなと。