定年を過ぎても働く人が増えている。人気ユーチューバーのpokkomaさんも先日、70歳の夫ともども再就職を果たした。「年金だけでは心もとないのは事実。元気なうちに稼げたらお財布だけでなく、生活にも気持ちにも余裕ができます」シニアでも希望の条件で働くチャンスはまだあるとpokkomaさんは話す。
外出しなくていいのがこんなにラクなのかと
62歳で始めたYouTubeチャンネルが、視聴回数145万回を超すコンテンツを生み出すなど、人気ユーチューバーとして活躍するpokkomaさん(65歳)。
「幼稚園教諭として働いたあと結婚し、1人目を妊娠して3年間だけ専業主婦をしていたのですが、それ以降は在宅勤務を皮切りに、コールセンターや設計事務所などで勤務し、ずっと働きづめ。それが60手前で体調を崩して仕事を辞め、7年がたちます」(pokkomaさん、以下同)
最初の1~2年は、体調を取り戻すための療養期間として自宅でのんびり過ごした。
「今までの生活と天と地ほど違って、外出しなくていいのがこんなにラクなのかと久しぶりに実感しました」

ただ、身体の回復とともに焦りを覚え始める。
「1日があっという間で。『このままではいけない』と思って、趣味だったパン作りを再開したんです」
パンの作り方を探していて出会ったのがYouTubeだった。
「存在は知っていましたが見たことはなかったの。本やインターネットで文字を追うよりも断然わかりやすくて“こんな世界があったんだ”というのが第一印象でした」
それをきっかけに、自身の何げない日常を撮って投稿したところ、1本目で大バズり。
「YouTubeは登録者が千人になると収益化できるシステムなので、2年かけてそこを目指していたのですが、開設から2か月を過ぎたころに、どんどん増えていて、毎日がびっくりの連続でした」
とはいえあくまでも年金が収入のメイン。3歳年上の夫も5年前に身体を壊して仕事を辞めたので、夫が15万円、pokkomaさんが9万円の年金にYouTubeの収益を合わせた約25万円が、月のおおよその収入だ。
「年金暮らしになってからは、働いていたころと同じ生活水準の暮らしはできないぞと思って、見直しを決めました。お金の問題以外にも、数年前に亡くなった義母の空き家整理で体力、気力が削られたので、生活をサイズダウンするきっかけになりました」
子どもたちに同じ経験をさせまいと、まず取りかかったのが自宅の引っ越しだった。
「小さな家に引っ越すことで維持費や固定資産税を減らしました。さらに身の回りの断捨離と片づけも進めて。2台あった車を1台にして、残す車を軽自動車にかえたら税金と維持費もかなり激減。スマホも大手キャリアから格安スマホにかえたのですが、家にいて仕事もしていなかったので十分こと足りています」