
「阿部采配」
セ・リーグ首位の阪神タイガースとは9ゲーム差の2位、読売ジャイアンツの指揮をとる阿部慎之助監督(46)の采配に疑問を持つ、うんざりするファンによって、ネット上で揶揄されている言葉だ。7月17日の東京ヤクルトスワローズ戦でも「阿部采配」が踊った。
1対1で迎えた三回表の巨人の攻撃、ノーアウト一塁二塁のチャンスで打席に入ったのは、2年目にしてスタメンに名を連ねる泉口友汰選手(26)。開幕後は1番に入ることが多かったが、この日は5番ショートで出場していた。
ベンチからのサインは「バント」。ところが初球、2球目をファウルした泉口に対して阿部監督はスリーバントを要求するも、これも失敗してアウト。ランナーを三塁に進める“仕事”ができず、ベンチに戻ることに。
スリーバント失敗はプロ野球でも時おり見かける光景だが、阿部監督はそうは思わなかったのだろう。チャンスを活かしきれずに無得点で終えると“鬼の形相”のまま選手交代を告げ、三回裏からショートを守らせたのは門脇誠選手(24)。泉口に“懲罰交代”が課せられた格好だ。
試合後、報道陣に対して「今日は戦力にならないなと思って代えた」と、泉口の途中交代の理由を明かした阿部監督。当の泉口も「今日は僕のせいで負けた」と、落ち込んだ様子で球場を後にしている。
「阿部采配」裏で評価を爆上げした選手
そんなミスした選手はもとより、ベンチ内のムードや士気をも下げるように思える“懲罰交代”。また三回の序盤にもかかわらず、クリーンナップにスリーバントを指示したことに、ネット上の“野球評論家”たちから「阿部采配」との批判が起きているわけだ。
巨人ファンにしてみれば、3対2で落としたことよりも何とも後味の悪い終わり方になってしまったヤクルト戦だが、その一方で株を爆上げした選手がいる。
阿部監督から交代を告げられた後のベンチ内で、呆然とした表情で目に涙を溜めていた泉口に近寄ったのはベテラン・長野久義選手(40)。ガックリ落とした後輩の肩に手を回すと、何やら言葉をかけて慰めては頭をポンポンする様子が中継に映ると、