9月3日、JRAの騎手を養成する「日本中央競馬会競馬学校」の42期生から退学者や留年者が相次いだことで、来春デビューする騎手がゼロになったことが判明した。1982年に開校して以来の初めての事態に、競馬ファンや公営競技関係者からさまざまな声が上がっている。
競輪では不正防止で電子タバコの持ち込みも禁止に
「3年間の全寮制で、42期生は応募者192人の中から突破した7人が'23年に入学。しかし規定の体重を維持できなかったり、通信機器の使用ルールを守れなかったことで4人が退学。3人が留年することになりました」(スポーツ紙記者)
JRAといえば、'23年5月に今村聖奈ら若手騎手6人が開催日における不適切なスマホの使用事案が判明して、騎乗停止に。
昨年7月には水沼元輝が複数回にわたって調整ルーム内へスマホを持ち込んで使用したほか、ケースのみを預ける偽装工作を行ったとして約9か月間の騎乗停止処分を受けた。
さらに同年10月、人気女性騎手の藤田菜七子が『文春オンライン』で複数回、調整ルーム内にスマホを持ち込んでいたことが明らかになったことで騎乗停止処分に。その後、引退して波紋を呼んだ。
「相次ぐ騎手の通信機器の不正使用を重く見て、競馬学校で厳しく指導するようになったのでは。結果的に卒業者がゼロになってしまったというのは、それだけ若い世代にはスマホは生活の一部になっているということなのでしょうが、公営競技に関わる者としては意識が低すぎる。お客さまの命の次に大切なお金を賭けてもらって、自分たちの仕事が成立していることを理解すべきです」(同・スポーツ紙記者)
競馬だけでなく公営競技は八百長防止など公正さを保つため、レース開催期間中は通信機器の使用が禁じられている。ボートレースでは'20年に全レース場で不正行為防止策として、選手の私物検査場入口などにゲート式金属探知機を導入。
競輪は今年8月31日からBluetoothなどを介して通信機能を持ち「携帯電話機等」とみなされる可能性があるという理由で、電子タバコの持ち込みも禁止になっている。
「さすがに電子タバコで通信ができるとは思えないので、電子タバコの持ち込みに関してはやりすぎでは? という声も多い。しかし公営競技は、それだけ不正行為対策を徹底しているということでもあります」(公営競技専門サイト記者)