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ー 心を表す雅子さまのファッション

 9月12日、天皇・皇后両陛下と愛子さまは長崎県ご訪問のため羽田空港を出発された。長崎では戦後80年の節目にあたって戦没者を追悼される。

「両陛下は今年、硫黄島・沖縄県・広島県・モンゴルなど、太平洋戦争で大きな爪痕を残した各地へと慰霊のため足を運ばれました。愛子さまは学習院女子の中等科時代に広島県へ足を運ばれていますが、長崎県へのご訪問は今回が初めて。

 愛子さまは広島を訪問されたことをきっかけに平和を意識するようになられたのだそう。そのため“長崎へもいつか必ず訪れたい”との強い希望をお持ちで、今回の同行が決まったといいます。戦後80年の慰霊の旅は今回の長崎でひとまずの締めくくり。お三方とも万感の思いで慰霊に臨まれるのではないでしょうか」(皇室ジャーナリスト)

心を表す雅子さまのファッション

 長崎には、愛子さまは1泊2日で、両陛下は2泊3日の日程で滞在される。雅子さまはご体調の都合から、国内での泊りがけの公務は、基本的に1泊2日でスケジュールが組まれていた。

 今回の長崎ご訪問は、雅子さまにとっても欠かすことのできない重要な公務であるとともに、久しぶりの長丁場ということもあって、並々ならぬ覚悟をお持ちなのだろう。そんなご心中がファッションにも表れていたという。

「空港を出発された際、雅子さまは秋を感じさせる千鳥柄のジャケットをお召しになっていました。雅子さまが柄物を着用されるのはかなり珍しく、装いに季節感を取り入れた新鮮なスタイルが印象的でした。また、ゆったりとしたシルエットのパンツをお召しで“長時間の移動でも、なるべくリラックスできるように”と考えられたのだと思います。

 パンツと靴は黒で統一。ジャケットから覗くインナーはよく見るとネイビーカラーでした。ネイビーが“差し色”として入ることで、重たくなりすぎず、且つフォーマルさは崩さないという、慰霊の旅にふさわしい巧みなコーディネートとなっていました」(ファッションジャーナリスト、以下同)

9月12日、長崎県に向かわれた天皇ご一家
9月12日、長崎県に向かわれた天皇ご一家

 天皇ご一家といえば、小物や全体のカラーなどを統一させた“リンクコーデ”でお出ましになることもあるが、今回はいつものようにわかりやすいリンクはなかったという。

「慰霊という厳粛な場に臨むにあたって、リンクコーデでご一家の仲のよさを強調するというよりも、礼節を欠かさない装いを各々でお考えになったのでは、と思います。しいて言うならば、陛下のジャケットと雅子さまのインナーが共にネイビーで、愛子さまがお召しになっていたスカイブルーのセットアップをより華やかに印象づけていました。

 また、雅子さまと愛子さまはイヤリングやネックレスなどのアクセサリーをすべてパールで統一されていました。おふたりが身につけられたパールは、形やデザインは異なるものでしたが、事前に“アクセサリーはパールで”とご相談し、お互いに似合うものを選ばれたのかもしれません」

 細部にまで心を込められた装いにも、戦後80年という節目に寄せられる深い思いが込められている――。