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ー 『古畑任三郎』でも芸人を抜擢

 10月1日から三谷幸喜が脚本を務める連続ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系)がスタートする。

フィクションを盛り込んだ三谷さんの半自伝的な作品のようです。1984年の東京が舞台とされており、史実どおりであれば当時の三谷さんは日本大学芸術学部を卒業したばかり。彼が脚本家として世に知られるようになったのは1988年から放送されたフジテレビ系ドラマ『やっぱり猫が好き』あたりですから、三谷さんの駆け出し時代が描かれるのかと」(テレビ誌ライター)

 三谷に相当する主人公の若手劇作家の役を菅田将暉が務めるほか、二階堂ふみや神木隆之介といった豪華俳優陣が出演する中、意外な人物もキャスティングされている。

お笑いコンビ『バイきんぐ』の西村瑞樹さんも出演するんです。相方の小峠英二さんはキレキレのツッコミでバラエティー番組に引っ張りだこですが、西村さんはかなりのマイペースな性格もあって、小峠さんと比べると露出は少なめ。また、1000ピースのジグソーパズルに17年以上を費やしても一向に完成しないといった天然エピソードも多く、一部では“変人”と称されています」(制作会社関係者、以下同)

 そんな西村だが、三谷は1年ほど前から役者として注目していたようだ。

「2024年9月にテレビプロデューサーの佐久間宣行氏の動画チャンネルに三谷さんがゲスト出演した際、役者として伸びると思う芸人の1位に西村さんを指名。彼が出演した洗剤のCMでの演技が目に留まったそうで“何も考えてない。本当にいい役者ってそういうことのような気がする”と絶賛していました」

 ほとんど演技経験のない西村だが、三谷は芸人たちの演技力を見いだす“目”を持っているようで─。

『古畑任三郎』でも芸人を抜擢

バイきんぐの西村瑞樹
バイきんぐの西村瑞樹

「1999年、三谷さんはお笑いコンビ『アリtoキリギリス』で活動していた石井正則さんを、フジテレビ系ドラマ『古畑任三郎』で有能な部下の刑事役として大抜擢。三谷さんは石井さんがバラエティー番組に出演した際の“周囲になじめていない感じ”に惹かれてオファーしたそうですが、石井さんは現在も役者として活躍していますから、さすがの眼力ですよね」(前出・テレビ誌ライター、以下同) 

「ココリコ」の田中直樹も、三谷に役者としての才能を見いだされたひとり。

「田中さんの回想によれば、テレビの企画でドッキリをかけられ泣いている田中さんを見た三谷さんが感銘を受け、2001年に公開されて監督・脚本を務めていた映画『みんなのいえ』の出演をオファーしたんだそうです。

 このとき、田中さんは演技初挑戦ながらも唐沢寿明さん、田中邦衛さんに次ぐ重要な役で、その年の日本アカデミー賞新人俳優賞に選ばれました。今では演技派芸人の一角に名を連ねています」

 三谷の直感が正しければ、西村もきっと役者として花開くはず。