全国でクマの出没が相次ぎ、住民が恐怖に震える中、北海道積丹町で町民の“命の綱”ともいえるクマ駆除の専門集団、地元猟友会が「出動拒否」という前代未聞の事態に陥っている。その発端は、なんと積丹町議会副議長の海田一時氏をめぐるパワハラ騒動だ。
騒動の発端は9月27日。海田氏の自宅近くに設置された箱罠に、体重284キロの巨大なヒグマが捕獲された際のことだった。
「現場に到着した猟友会のハンターはその場にいた副議長と面識がなく、本人に誰なのかを尋ねたところ、副議長が“誰にものを言ってるか”と憤慨したといいます。クマは駆除後の運び出し作業も必要なため、現場には10名ほどのハンターが駆けつけており、安全のためその場を離れるよう副議長に伝えたものの、海田氏はこれを拒否。さらに、“こんなに人数が必要なのか。金もらえるからだろ。俺にそんなことするなら駆除もさせないようにするし、議会で予算も減らすからな。辞めさせてやる”と言い放ったそうです」(地方紙記者)
当然、この発言に猟友会は激怒。町からの出動要請に「謝罪がない限り出動しない」という強行姿勢を崩さず、事態は長期化。その間にも町内ではクマの出没が相次ぎ、ついには小学校近くでも子グマが目撃されるという“命の危険”に直面している。
通常であれば猟友会がパトロールや駆除にあたるが、この「出動拒否」により町の職員が見回りをするのみ。町民からは「実際にクマが出たらどうするのか」「怖くて子どもを外に出せない」といった不安の声が殺到し、役場には海田氏への苦情が寄せられ「平常業務ができない」ほどパニック状態だという。
そんな中、事態はさらに悪化の一途をたどる。
11月1日〜3日に役場に隣接する総合文化センターで開催予定だった「積丹町文化祭」が急きょ中止に追い込まれたのだ。その理由は、なんと積丹町の役場への爆破予告だった。
「爆破予告は文化祭初日の11月1日に届き、町はただちにイベントの中止を決定したようです。役場庁舎や会場の文化センターに近づかないよう町民に注意を呼びかけました。爆破予告の理由はわかりませんが、このタイミングですからおそらくクマ騒動に関係しているのかもしれません。
文化祭は保育園児や小中学生、一般町民などによる作品の展示や子供たちによるさまざまな発表のお披露目もあり、老若男女が参加するお祭りでした。人口約1600人と小さな町ですが、この日のために準備し楽しみにしていた人が多いと思うと気の毒でなりません」(同前)
“暴言町議vs命がけのハンター”というトラブルに端を発した騒動は、クマの恐怖、そして爆破予告という不穏な圧力まで加わり、小さな町全体を覆う暗い影となっている。
町議は依然として「自分は悪くない」「謝罪はしない」という強気な姿勢を崩しておらず、住民の安全を軽視しているとも取られかねない状況にSNSでも、
《まだ謝罪してないの!?》
《町議の謝罪拒否が原因か》
《他の町議さん達は何をしているの? 副議長さんはそんなに偉い方なんですか?》
《あんな老害副議長をのさばらしてたら嫌がらせの対象にもなるわな》
《副議長が猟友会に謝罪しないから、こういう事になるんでしょうね》
《頭くらい下げればいいのに》
と非難の声は止まらない。
積丹町はクマの脅威だけでなく、平穏な日常も奪われている。いずれにしても理屈抜きで“爆破予告”は許されない。
  
    









