2026年に米国、カナダ、メキシコで共催されるFIFAワールドカップは、史上初めて48か国が出場する大規模大会となる。グループ分け抽選は日本時間12月6日午前2時に行われる予定で、日本代表の運命を左右する重要な瞬間が間近に迫っている。ファンの間で注目されているのは、「日本がもっとも避けたい組み合わせ」がどのようなものかという点だ。
グループ分けは最新のFIFAランキングを基準に、出場国を四つのポットに分類して行われる。ポット1には開催国のアメリカ、メキシコ、カナダのほか、前回王者アルゼンチン、ランキング上位のスペインやフランスなど強豪国が並ぶ。ポット2には10〜21位、ポット3には22〜33位、ポット4には34位以下の国や欧州プレーオフ・大陸間プレーオフの勝者が入る。各グループには必ずポット1〜4から1チームが入るため、強豪、中堅、伏兵が混ざり合う構成になる。
サッカーW杯、日本は現在18位
日本は現在18位で、史上初のポット2入りを果たした。しかし、この快挙が必ずしも有利に働くとは限らない。ポット2は強豪と格下の中間に位置するため、上位勢と伏兵が同時に重なる“相性の悪い組み合わせ”に巻き込まれる可能性があるからだ。
スポーツジャーナリストは、「ポット2は一見有利に見えて、実は格上に挟まれやすい危険なポジション。強豪そのものより、実力国と波乱要素のあるチームが交じる『コンボ』が最も怖い」と指摘する。
日本が本当に避けたい相手として、まず名前が挙がるのがポット1のアルゼンチン。
「前回大会の優勝国であり、個々の能力だけでなく組織としての完成度が高く、南米特有の勝負強さも際立つ。次に警戒されているのがポット3のノルウェーで、ランキングは中堅だが、世界最高峰FWアーリング・ハーランドを擁し、欧州予選では8戦全勝、37得点と得点力の高さを証明している。中堅に分類されながら、爆発力では強豪国に匹敵する“伏兵”として最も危険視される存在」(前述・スポーツジャーナリスト)
さらに厄介なのが来年3月の欧州プレーオフの結果次第で、ポット4には“本来ならポット2レベル”の強国が入り込んでくるかもしれない、という可能性。
「警戒が必要なのはイタリアとトルコ。イタリアはランキング12位で欧州屈指の守備力を誇り、GKドンナルンマを中心に失点が極めて少ない。点を奪うこと自体が難しいため、日本にとって最もやりにくいタイプといえる。一方のトルコは25位ながら若手の台頭で勢いがあり、20歳でありながらレアル・マドリードで活躍するアルダ・ギュレルが攻撃の軸となっている。スペインと引き分けるなど強豪相手にも臆さず戦えるため、ポット4に入れば“格下の皮をかぶった強敵”になります」
アルゼンチン、ノルウェー、そしてイタリアまたはトルコ。これらの国が日本と同じグループに入る可能性は十分にあり、その場合は間違いなく“死のグループ”と呼ばれる厳しい組み合わせとなるだろう。強豪国に加え、爆発力を秘めた伏兵と堅守の欧州勢が並ぶ構図は、日本にとって極めて難度の高い戦いを強いることになる。
初の48か国制となる今回の大会では、従来以上に“読みづらい”組み合わせが生まれる可能性が高い。日本代表にとって最も厳しいシナリオが現実になるのか、それとも幸運を引き寄せるのか。ファンの祈りと緊張が高まる中、運命の瞬間が迫っている。
















