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ー 「トイレの便座をあったかくして」の声も
「学長のおごり自販機」を利用する学生と学長 写真提供/高知大学

 12月3日、高知大学の朝倉キャンパスに設置された「学長のおごり自販機」が話題を集めている。

 2021年から「職場コミュニケーションの活性化」を目的にサントリーホールディングス傘下の企業が取り組むサービス「社長のおごり自販機」の学校版で、大学では初の試みだという。

「トイレの便座をあったかくして」の声も

 地元メディアがこの話題を紹介すると、Yahoo!ニュースのトップで取り上げられたほか、Xでトレンド入りするなど大きな反響を呼ぶことに。そこで高知大学に反響について話を聞いた。

 今回、導入を決めた理由については、

普段は接することのなかったであろう学生や教職員、あるいは学長や役員と、自然な形で交流することを狙い、そのためのインパクトある手段として、選択しました。枠にはまった 学生生活にとどまることなく視野を広げ、将来の可能性を広げてもらえることを期待しています

 サービスを開始した12月3日の利用者は「100人ほどの学生・教職員が訪れ、想像を超える反響がありました」と手応えを語る。

 「学長に聞きたいこと」などの動画を大学の事務室で撮影すれば、1人1枚“学長コイン”が貰え、それを利用して無料で飲み物を購入できるシステムだ。動画の内容はどのような内容が多いか?という質問には、

学生生活を頑張っている様子や意気込みなどが多いです。なぜ学長になられたのか? といった質問や、トイレの便座をあったかくなるようにしてほしいといったものまで、幅広く寄せられています

 また「学長のおごり自販機」の効果をこう期待する。

高知大学が、風通しがよく、役職員が一体となり、学生をしっかりサポートしている、アットホームな環境であることをより多くの方に知っていただきたいです。それに加え、他の地域の中でも恵まれた大自然フィールドを活かした、デジタル時代にこそ必要な地域に入り込んだ実習など、本物を題材に教育研究を展開しているといった特色を知ってもらう機会となり、志望者が増えてくれることを期待しています

 受田浩之学長のポケットマネーによる本当の“学長のおごり”ということだが、予算は大丈夫なのだろうか?

学長家の財務大臣(妻)に丁寧な説明をしていただき、交流の場として定着させていくことを目指したいと思っています

 と、ウィットに富んだ回答を寄せてくれた。学生たちにより良いキャンパスライフを送ってもらうためにも、財務大臣には多少の予算オーバーには目を瞑ってほしいものだ。