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ー “鉄の女”サッチャー氏を尊敬する高市首相

 日本社会の現状に、「遅れてる! 海外ではありえない!」なんて目くじらを立てている人もいますが……。いえいえ、他の国の皆さんも基本は一緒! そんな、「衝撃」「笑える」「トホホ」がキーワードの世界の下世話なニュースを、Xで圧倒的な人気を誇る「May_Roma」(めいろま)こと谷本真由美さんに紹介していただきます。高市早苗首相が「欧米人に衝撃を与えた理由」と、今後気をつけなければいけないこととはーー。

“鉄の女”サッチャー氏を尊敬する高市首相

 高市早苗新首相の誕生は、欧米で大きな驚きとともに報道されています。というのも、高市さんは、ハードロック・ヘヴィメタル好きを公言し、愛車はトヨタのA70スープラ。バイクに乗っていたときはKAWASAKIを愛用していたという、典型的な欧米男性のような趣味の持ち主。保守的な日本から初の女性総理が誕生しただけでもセンセーショナルなのに、「アメージング!」というわけです。

 私もハードロック・ヘヴィメタルが好きなのですが、高市さんがバンドをたしなみ、ドラムを叩いていたときの“尊敬するドラマー”が、「コージー・パウエル」と聞いたときは、その「にわか」ではない本物ぶりに思わず感嘆したものです。真のお笑い好きが、明石家さんまさんの師匠は誰かと即答できるようなものです。

イギリスのサッチャー元首相
イギリスのサッチャー元首相

 トランプ米大統領が来日した際のパフォーマンスを見てもわかるように、高市さんの登場は、日本の従来の国際的なイメージを良い意味で大きく変える可能性を秘めています。チャーミングでいて、力強さも兼ね備えている。こうした立ち居振る舞いができる女性は、欧米でとても好かれるんですね。

 しかも、高市さんのいでたちやパフォーマンスは、日本のアニメによく登場する「勇敢な姉御肌の女性指揮官」に共通するものがあるのでしょうね。それが現実世界に登場したぞ─。そのインパクトは衝撃的ですらあるのでしょう。

 ただし、懸念材料がないわけではありません。かねて高市さんは、“鉄の女”と呼ばれたイギリス初の女性首相であるM・サッチャー氏を尊敬していると公言しています。しかし、ここイギリスではサッチャーは、いまだに嫌われた存在です。彼女が行った政策は、労働者階級(雑貨商の娘という自身のルーツでもあるのに)に大打撃を与えるものが多かった。

 さらには、地方財源の柱だった不動産の価値などに応じて課税する住居税を、収入に関係なく家庭内の一人ひとりが支払う仕組み「人頭税」にかえたことで、家族が多い人ほど担税しなければいけない社会に。失業や自殺も増え、国民の怒りが爆発したことで、サッチャー氏は退陣に追い込まれたほどでした。

 そのため、「サッチャーが好き」という言葉は、今なおイギリスでは鼻白むものなのです。メタル好きらしく、「同じ“鉄”の女、ということで」くらいにしておくといいんだけどね……。

谷本真由美 たにもと・まゆみ 1975年、神奈川県生まれ。著述家。元国連職員。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。X上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いポストで人気を博す。著書に『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズ(ワニブックス【PLUS】新書)など著書多数。
谷本真由美 たにもと・まゆみ 1975年、神奈川県生まれ。著述家。元国連職員。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。X上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いポストで人気を博す。著書に『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズ(ワニブックス【PLUS】新書)など著書多数。