妊娠中のご法度はアルコールのCM

 産休とは、妊娠・出産・育児のために休暇を取ること。一般的にはおめでたいものとしてとらえられるが、女優たちはそうもいかない。

「同年代もそうですが、新進気鋭の若手女優がどんどん出てきます。もし自分が産休に入ってしまえば、それまで入っていた自分の仕事がほかの女優に取られてしまいかねない。代わりがいるという意味で、役の取り合いは壮絶なのです」(前出・芸能プロ関係者)

 産休への入り方も、なかなか難しいようで、

「妊娠自体が女優さんのイメージダウンになることはあまりありません。ただ、その妊娠がドラマ撮影中やCM契約中、映画撮影中、舞台公演期間中などの仕事に影響が出る場合は、本人だけでなく、事務所やCMクライアントが非常に困ったことになってしまうんです」(川内さん)

 妊娠中は胎児に影響を与えてしまうおそれがあるため、過激なアクションシーンなどは、もちろん撮影できない。特にCM契約は女優にとってネックである。

「お酒のCM出演は、妊婦さんはご法度。妊娠中にお酒を飲むと胎児性アルコール症候群になりかねないため、その商品をPRしているというのは、さすがにイメージがよくないですからね。契約期間中は妊娠をしないというのが暗黙の了解でもあり、契約書に記載されていることもあります。期間中に妊娠してしまったら、周囲が“なに考えてんだよ!”と怒ってもしかたありません」(川内さん)

 サントリーのウイスキー『角瓶』のCMは、’07年秋から小雪が、’11年から菅野美穂が、’14年から井川遥へと受け継がれているが、

小雪さんは妊娠を発表後に降板、菅野さんも降板後に妊娠を発表しています。上戸彩さんもお酒のCM契約が切れるまでは、“妊娠してはいけない”と言われていたそうですよ」(前出・芸能プロ関係者)

 女優は、妊娠する時期も選ばなくてはならないのだ。大変なようにも思えるが、それもそのはず。女優ひとりが稼ぐ金額が事務所に大きな影響を与えることもある。

「とある女優さんが産休に入った際に、マネージャーがクビになった例もありました。産休に入ってしまったことで、彼女が稼ぐ算段を立てていた分の金額が入ってこなくなってしまったから。それだけ女優さんの休業というのは、周りにも影響があるんです」(前出・芸能プロ関係者)