宇多田ヒカルさんが、昨年9月に発売したアルバム『Fantome』には、ラッパーのKOHHさんとのコラボ曲が収録されているのですが、その曲のレコーディングの際に使われたと思われる“メモ書き”が、KOHHさんのオフィシャルグッズの販売サイトで売られていたんです」(音楽雑誌ライター)

 売られていたといっても、普通のファングッズとは2ケタも3ケタも違う値段だった。

「ビックリして思わずゼロを数えてしまいました。見間違いではなく1700万円。どうやら今年の2月くらいから売り出していたようです。“アート”と言ってしまえば、なんでもありなのかもしれませんし、値段も売るほうの自由ですが……」(前出・音楽雑誌ライター)

 そもそも、宇多田とコラボしたKOHHという男はいったい何者?

「ラッパーのKOHHさんは、現在27歳。音楽性だけでなく、イケメンなルックスに全身に刻まれたタトゥー、薬物依存症だった過去を持つ母親といった生い立ちなど、現在、音楽界だけでなくファッション界など多方面から注目を浴びています。宇多田さんが彼のファンだったことからアルバムでのコラボが実現したようです」(前出・音楽雑誌ライター)

 KOHHが販売していた商品の題名は、コラボ曲と同じ『忘却』。数字と「終わり方なんとなく好き」などというメモ書きのような記述が、ボールペンで書かれている。

クレジットには、“Hikaru Utada & Yuki Chiba”と入っています。Yuki ChibaはKOHHさんの本名です」(前出・音楽雑誌ライター)

 一般人がなかなか理解できないのがアートの世界。「え? こんなのが!?」と思ってしまうような作品が、超高値で売買されることもあるが……。

 KOHHは自身の販売サイトで、宇多田との商品だけでなく、自身が描いたイラストや写真をコラージュした作品なども販売。そちらも1点で数十万円、ものによっては数百万円など、かなりの高値で販売されている。

独特のセンスがある人なので、歌だけでない“アーティスト”としても活動していきたいのではないかと思います。宇多田さんとの曲のメモ書きがどういった経緯で販売されるに至ったかはわかりませんが……」(前出・音楽雑誌ライター)

 宇多田は、今年4月にユニバーサルミュージックからソニーミュージックへ所属レーベルを移籍したばかり。自分が書いたメモ書きに1700万円の値がついて売られていることを、はたして彼女は知っているのだろうか。

 この件についてソニーに問い合わせたが、しばらく返答がなく、同時にKOHHの所属事務所に連絡するも、電話がつながらなかった。すると、連絡を入れてから2日後、KOHHの販売サイトからこちらの商品が消え、その翌日、ソニーミュージックより、

当社としましては、本件に関してはノーコメントとさせてください

 という返答があった。アルバム発売時の所属であるユニバーサルにも問い合わせたが、

ノーコメントということでお願いします

 これはアートだったのか。宇多田は彼のせいサイドビジネスに巻き込まれてしまったのか。なぜ突然サイト上から消えてしまったのか。謎が多く残る結果となってしまった。KOHHは「適当な音楽スタイル」を自称していただけにもしかして、この商品に関しても適当だったのだろうか。