共謀罪の前から市民監視

完成したN4地区のヘリパッド (c)沖縄タイムス/共同通信イメージズ
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 7月に施行された「共謀罪」法によって、基地反対などの市民運動は、捜査当局の監視や取り締まりが強化されるのではないかと危惧されている。

 那覇出身で、現在は福岡から抗議に駆けつける仲村渠政彦さん(68)が言う。

「国が住民を通行妨害で訴えた“スラップ裁判”のとき、防衛局員は高江区民の家族構成を調べて回っていました。だから心理的な意味で、すでに共謀罪を経験している。警察も最近は、われわれを規制するときに“おまえたち共謀罪だぞ”と言って恫喝しています」

 仲村渠さんの発言を受けて、スラップ裁判の際、現場にいなかった当時7歳の娘までも告訴された経験を持つ安次嶺さんの夫・現達さん(58)がこう続ける。

「見せしめです。反対運動をしたら、あなたたちもこうなるよ、と。それでも高江に住んでいる人たちは声をあげているほうだけど、声をあげさせず、あきらめさせるシステムを、国は、共謀罪のできる前から長い時間をかけて作っている」

 しかし高江でも辺野古でも、基地建設に反対し、抗議する人々の姿が絶えることはない。

「やっぱり、みなさん戦争は嫌ですから。だから基地反対。沖縄全島から高江に来ますし、本土からも来ます。ひるまずにやっていくしかない」(仲村渠さん)

 安次嶺さんは最近、世界での連帯に目を向けるようになった。米軍駐留国・地域の女性たちが集まり、基地問題の解決に向けて情報交換する『軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議』が6月下旬に沖縄で開催、それに伴い来日したグアム、フィリピンなどの女性たちと交流する機会を得たのだ。

 それ以来、こんな希望を見いだしている。

「話を聞いてみると高江とまったく同じ状況で、米軍基地があることで苦しめられている人が世界にはいっぱいいた。戦争は嫌だ、自然を守りたい、基地はいらない。沖縄の人たちは何度も、選挙結果でもそう言っているのに無視して、力ずくで基地を作るのは人権侵害。同じ思いをしている世界の人たちとつながり、声をあげていきたい。そうできる時代だと思っています」