副業が成功すれば生活はしていける

 久保田利伸も同じタイプ。

 ’15年に実家の青果店店長になったことを本誌が報じた。

「70年以上続く老舗です。お父さんが高齢で店に出るのがきつくなり、見かねたんでしょうね。彼は’93年からニューヨークに拠点を移していますが、年末年始などには帰国して手伝っているそうです」(前出・レコード会社関係者)

 ’05年に『エンタの神様』(日本テレビ系)で「チックショー!!」と叫ぶネタで大ブレイクしたコウメ太夫は、アパート経営で稼いでいる。本人に経営状況を聞いてみた。

「8年くらい前に、仕事が全然入らなくなり、月給3000円のドン底に。貯金だけではやっていけないと考えてアパートを1棟買いました。最寄り駅から徒歩5分圏内で6部屋があり、家賃収入は月に35万円。年間420万円になります

 安定した収益をあげているようだが、アパート経営ならではの苦労もあるようで……。

「入居者から、部屋に設置していたクーラーがうるさいと苦情がありました。調べても特に問題なかったのですが、それが気に入らなかったのか、冷蔵庫で床にひどい傷をつけられてしまいました。弁償してもらったのですが、結局その人は1週間くらいで出て行ってしまったんですよ……」

 アパート経営のほうが本業になってるのではとウワサされることもあったが、

「最近は、お笑いのほうが給料は多いです。全盛期のように月400万円くらい稼げればまたアパートを買いたいけど、なかなか再ブレイクできないので、“チックショー!”という気持ちですね(笑)」

 芸能人が副業に手を出すことが多くなったのは、なぜなのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんに聞いた。

「芸能人はどんなに売れていても人気が落ちれば収入がゼロになります。会社員と違って身分保障や退職金もないので、収入を補いたい思いがあると思います。副業が儲かれば、本業がうまくいかなくても生活していけますからね」

 しかし、副業には落とし穴もある。

「売れている芸能人は、副業を持ちかけられることが多いんです。でも、いきなり経営者になってもうまくいかないケースが多いですよね。騙されることもありますし、店をたたむことにでもなれば、借金を背負うことになります」(荻原さん、以下同)

 副業で成功したと思う芸能人について聞くと、お騒がせなアノ人の名前が。

松居一代さんは賢いですよね。掃除グッズなどで自分の名前は提供していますが、もし売れなくても彼女に被害はありません。いつの間にか、副業が本業になっていますよね。そうして、副業が本業に移行していくのは成功している部類に入ると思いますよ」

 芸能人が副業で成功するには本業で特技を身につけることが大切なのかも。